民泊清掃ビジネスのトラブルの特効薬は「おもてなし」

こんにちは、民泊清掃業者roomin(ルーミン)代表の籔内滉平(やぶうち・こうへい)です。

3Kと言われてきた清掃業界

 あなたは「掃除の仕事」と聞いて、どういうイメージがあるでしょうか?中には3Kのイメージがある方もいるのではないでしょうか?3Kとはブルーカラーとされる職種について、その労働環境・作業内容が「(Kitsui)きつい」「(Kitanai)汚い」「(Kiken)危険」であることを表す言葉として使われます。私も今まで掃除の仕事(駅のトイレ掃除、ビル掃除、デパート等の床を掃除)をしている人を見ても、掃除は好きだけど仕事としては進んでやりたい仕事だとは思いませんでした。

 あれだけ人の役に立っている仕事なのに、なぜそういうイメージを持ってしまうんだろうと改めて考えました。私なりの答えは、清掃の仕事は人の役に立っているかどうかがわかりづらい職業なんだと思います。例えば駅のトイレが1ヶ月掃除されなかったら誰でも汚いと気づくはずです。でも、毎日掃除してくれているからこそ綺麗なのが当たり前になっている。私は今の仕事をしているから特に感じていることですが、当たり前のことなんてないと思います。どこかで綺麗にしてくれて役に立ってる人がいる。だからこそそこに感謝できる人でありたい、そしてこの仕事を通して掃除とは素晴らしい仕事なんだということを少しでも多くの方に知ってもらいたいと思っています。

民泊清掃ビジネスの実態は?

 ここでは、私の仕事について詳しく触れたいと思います。清掃しているのは民泊の客室です。民泊とは、宿泊用に提供された個人宅の一部や空き別荘、マンションの空室などに宿泊することです。簡単に言えば、ホテルの客室清掃みたいなイメージです。

 民泊という言葉に聞き慣れない方もいるかもしれませんが、それはここ最近の話だからです。民泊は2014年頃から日本で流行り出したのでまだ3年ぐらいしか経ってない段階です。それでも全国に40,000件以上の民泊物件があると言われています(Airstar調べhttps://airstair.jp/minpaku-40000/)。

 そんな加速する民泊ビジネスに欠かせないのが客室清掃です。ホテルを例にするとどれだけ高級ホテルでも部屋を清掃する人がいなければホテル経営は成り立ちませんよね。1部屋あたり4~5回転(1ヶ月間)するので、それに伴って4~5回の清掃があります。

民泊清掃トラブルあるある

 民泊に宿泊するのは9割以上が訪日外国人です。文化が違う方々が訪れるからこそ部屋の使い方も様々です。事項では良く起こるトラブルについて書きます。

ゴミの山

 洋服や靴、電化製品や食材を買った袋や段ボールのゴミが大量に捨てられていることが多いです。こんなに買って持ち帰れるのだろうかというぐらい大量のゴミです(笑)。

赤ワインのシミ

 部屋に入った瞬間に大量のワイン、日本酒、ウイスキーの空き瓶が置いてあることがあります。あ、パーティしたんだなとすぐにわかります(笑)。それはいいのですが、赤ワインをテーブルにこぼしたりするとしみ込んでなかなか取れないんです。その時はゲスト(宿泊客)に慰謝料を請求してなんとか事は済んだのですが。

勝手に予備のアメニティを使う

 予備のアメニティのタオルを勝手に使うゲストがいます。2名の予約の時は2枚のタオルしか用意しないのですが、なぜかクローゼットから勝手に予備のタオルを引っ張り出して使うゲストがいるんです。

勝手に備品を捨てる

 備品を勝手に捨てるゲストがいます。例えば洗濯用の液体洗剤の容器。液体洗剤の中身がなくなったらもう使わないと思って勝手にゴミ箱に入れるゲストがいます。いや、使いますから(笑)。

大量にアメニティ使う

 トイレットペーパー、ティッシュ等を大量に使われることもあります。宿泊人数にもよりますが、8ロール一気になくなることもあります。

ゴミの分別をしない

 これがけっこう大変なんです。弁当のゴミや生ごみでぐちゃぐちゃになっている中に空き缶やペットボトルが入っているのが一番やっかいです。そこに手を突っ込み分別する訳ですから、、、

喫煙

 部屋の中では禁煙(ベランダならOK)というルールなのに、部屋に入った瞬間に明らかにタバコの匂いがする。これはすぐにわかります。次にチェックインするゲストが困りますよね。

トラブル防止には「お出迎え」が最重要

 この様にトラブルを挙げればキリがないですが、解決策はあります。色々な視点がありますがHow toよりももっと大切なことがあると思います。上記のゴミの山、赤ワインのシミ、勝手に使う、勝手に捨てる、大量に使う、ゴミの分別をしない、の全ての項目に当てはまる解決策は「ホストとゲストとの信頼関係」ではないかと思います。

信頼関係の築き方①「メッセージのやりとり」

 民泊の魅力の一つとして、予約の段階でホストとゲストがメッセージでやりとりをすることができます。その際にゲストとホストがお互いにいい印象を持てば滞在も楽しみになります。

信頼関係の築き方②「お出迎え」

 ゲストがチェックインする方法は部屋の外にキーボックスを置いておいて暗証番号を合わせて勝手に入ってもらうのが多いケースですが、更にいいのはゲストがチェックインする際に直接会って鍵を渡すことです。そのまま部屋を案内し、設備等の説明をします。やはり、メッセージのやりとりだけよりも直接顔を合わせることによってコミュニケーションが深くなりますし、顔を合わせたからにはゲストも下手に部屋を汚しづらくなります。

信頼関係の築き方③「置き土産・手紙」

 時間の関係上お出迎えができない場合はゲストがチェックインする前にお土産、置き手紙を置いておくとゲストは喜んでくれます。特に日本特有のもの(抹茶系のお菓子、お箸等)を部屋のテーブルの上に置いてあると喜ばれます。また、宛先にゲストの名前を書いたメッセージカードを置くと更に好感度がアップします。弊社ではホストさんの代わりにメッセージカードを書くお手伝いもしています。

 民泊大手仲介サイトのAirbnbではゲストがホストのことを評価することができ、その中でも一番優秀なホストはスーパーホストと呼ばれるようになります。私はスーパーホストさんのお部屋を何部屋か清掃させていただいているのですが、実際そこに滞在するゲストはとてもきれいに部屋を使ってくれる傾向にあります。もちろん国柄や人柄もあるので信頼関係だけで全て解決することは不可能ですが、ホスト、ゲスト、清掃業者が一番気持ちよく仕事ができるのはその状態ではないかと思います。中にはアフリカ等から来ているゲストもいます。お金よりも何よりも、一回きりの貴重な日本での滞在を楽しんでもらうこと、気持ちよく過ごしてもらうことが何よりも重要ではないかと思います。

 私はあくまでも清掃業者なのでえらそうなことは言えませんが、民泊を提供する側(ホスト)、泊まる側(ゲスト)、清掃業者の3者がみんな気持ちよくつながれる関係が私の一番理想とする関係です。そうすれば上記のトラブルも自然と減るのではないかと思います。

 

民泊清掃は3Kの時もあるが、やりがいがある

 ここまでをまとめると、3Kかどうか?と聞かれるとケースバイケースです。掃除という仕事をしてる上で3Kはつきものみたいです。しかし、「民泊の清掃」にはとてもやりがいがあります。なぜかというと人対人だからです。チェックアウト後の部屋に入ると置き手紙やお土産が置いてあったりする場合もあります。メッセージに「とてもいい滞在でした」「東京を楽しむことができました」「とても快適に過ごせました」等のメッセージが書いてあった時は本当にやりがいを感じます。この仕事をしていて本当によかったなと思います。また、深夜まで掃除をしている時にホストさまから「遅くまでありがとうございます」と言ってもらえた時は人の役に立っていると感じる瞬間です。

 どんな仕事にしても、やっていてよかったと感じる時は人の笑顔が見れた時、ありがとうと言ってもらえる時ではないでしょうか。AIの発達により人の仕事がなくなっていく中、民泊清掃の仕事はまだまだロボットにはできない仕事だと思います。縁の下の力持ちというポジションで日本経済に貢献し、世界中の人々を笑顔にするこの仕事をできていることに感謝します。

 次の記事ではこのビジネスを始めるのにどのくらいの初期費用がかかったのかについて書きます。通常、フリーターでその業界の知識も経験も貯金もほとんどない私がどのようにこのビジネスを始めたかについて書いていきます。また、次の記事でもお会いできるのを楽しみにしております!^^

 

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