新人の頃、なかなか仕事が上手くいかずに悩んでいたShinさん。幸い、上司に恵まれたことで「ToDo」を管理する重要性に気づき、現在はコンサルタントとして活躍しています。
悩んでいたShinさんを突き動かしたのは、「仕事ができるようになりたい」というドロドロした欲望でした。そして、挫折を乗り越えその経験や「誰かの役に立ちたい」という思いが、オンラインコミュニティ「Players」を立ち上げるモチベーションとなったのです。
前編はコチラ↓
副業を始めたきっかけは、欲望。『シンプルTODOリスト仕事術』の著者Shinさんの仕事への向かい方
Shinさんのお話を聞き、私には新たな疑問が生まれました。
コンサルタントとして活躍する傍ら、オンラインコミュニティの運営や本の執筆をするなんて、ものすごく大変なのでは……?
というわけで、後編は「独立」という形を取らずに、あくまで「副業」として「Players」を運営する理由、今後の展望について伺いました。
仕事の悩みを解決するオンラインコミュニティ「Players」
「Players」とは、月額980円でさまざまなサービスを利用できる、会員制オンラインコミュニティです。主なサービス内容は、下記の通り。
- Shinさんのオンラインコンサルティングの受講
- オンライン投稿サービス「note」やHP内で公開されている音声データのダウンロード
- メッセンジャーにおけるShinさんへの個別相談
- オフラインイベントへの参加
Etc.
「Players」の目的は、「仕事に関する悩みを解決すること」です。仕事と聞くと、一般的には会社で働くことをイメージしがちですが、「Players」では次のように定義されています。
「人や社会に何らかの価値を提供し、対価をいただく活動の全て」
このため、「Players」には、会社員だけでなくフリーランスで働く方も多く参加しています。Shinさんがアドバイスする相談内容も、仕事の進め方から会社内での人間関係、資産運用に関することなど多岐にわたります。
特徴は、Shinさんが一方的に発信する場所ではなく、メッセンジャーを活用して参加者同士がコミュニケーションを図れることです。
「Excelが使えるようになりたい」「ブログを3ヶ月間更新する」「個人売上をアップさせたい」など、各々の目的に合わせたグループに参加し、情報を共有することができます。お互いに相談し合うことで仕事へのモチベーションが高まりますし、何より人との繋がりが広がる場となっていることが魅力です。
月額980円でここまでしてもらえるのは、なんともお得な気がします。オンラインコミュニティは利用料金が高めなイメージでしたので、素直に驚きました。なんで、こんなにリーズナブルなのでしょうか?
仕事に悩む普通の人が、必要とする情報を得られるサービスを提供したい
今でこそ、「Players」は会員数400人以上を抱えるコミュニティとなっていますが、ここまで大きくするためには、紆余曲折があったのだそうです。
初めはブログ運営からスタートし、次に「ToDoリスト」や英語学習に関するノウハウを「note」に掲載。「誰かの役に立ちたい」という欲望が強くなったShinさんは、新たな取り組みを始めました。
「Players」の前身(と呼んでいいのか……)となる、Excel専門の解説サイトを始めたのです。しかし、普段は仕事でExcelを使うものの、そこまで興味があるわけでもなかったためモチベーションが続かなくなり、1ヶ月で辞めてしまったのだそうです。
Shinさんでも、こういうことがあったのですね……。
仕事で100%のパフォーマンスを出すには、没頭することが大事だと言うShinさん。この失敗から、自身の経験とスキルを生かすことに軸を変え、「仕事に悩む人の役に立つこと」を目的とした「Players」を立ち上げたのです。
自身を省みて改善点を見つけて次に生かせるShinさん、さすがの一言です。見習わなくては!
「Players」でShinさんは、会員の方に新しいことを始める際は段階を踏んで進めていく「スモールステップ」をすすめています。
- 友だちに無料で情報を提供する
- 友だちに情報を提供し、対価としてご飯を奢ってもらう
- 知らない人に無料で情報を提供する
- 知らないに情報を提供し、対価としてご飯を奢ってもらう
- 知らない人を何人か集めて無料で情報を提供する
- 知らない人を何人か集めて有料で情報を提供する
Shinさん自身も「Players」を始めたばかりの頃、30分50円でオンライン相談を受けていたこともあったのだとか。時給100円は、さすがに安すぎな気がします……。
このような試行錯誤を経て、現在の「月額980円でサービス使い放題」というスタイルが確立されたのです。
今のところ、「Players」の料金設定を変えるつもりはないShinさん。無料で使えるようにするという選択肢もありそうですが。
「無料にすると人はたくさん入会してくれるかもしれないけれど、残念ながらモチベーションが低い人も来てしまいます。『仕事ができるようになりたい』という強い欲望を持つ人は、お金を出してでも必要な情報を欲しがるし、そこに需要があると思います」
確かに、無料だと「取りあえず登録すればいいや」という人もいそうです。しかし、Shinさんは料金設定を高くする予定もありません。
「自分がサラリーマンをやっているからこそわかるのですが、仕事に悩んでいる人は、ものすごく年収が高いわけではないと思います」
うーん、これも分かります。バリバリ仕事がデキる人は会社からしっかり評価されているでしょうから、悩む必要はなさそうですし。収入に関係なく、仕事に悩む人が誰でも入れるようにするなら「月額980円」の料金設定はちょうど良さそうですよね。
「Players」の目標は、たくさんの人に入会してもらうこと。将来的に会員数を1万人まで増やすために、Shinさんはロードマップを作成中なのだそうです。
本業で得た知見の全てを、「Players」を通して伝える働き方
月額980円で利用できる「Players」。ブログはもちろん、Shinさんが仕事術について語る音声データや各種ツールなど、料金設定から考えるとサイト内にはたくさんの情報が詰まっています。
Shinさんのスタイルは、自分の持っているものをどんどん出していくこと。自分が話せること、できることを全て出し切ることが大切だとShinさんは考えています。
「セミナーやオンライン相談などでも包み隠さずに全部伝えて、後の判断は参加者に任せます。もちろん、価値を見いだしてもらえれば嬉しいです。仮にダメだと思われても、それが今の自分の評価だから受け入れてがんばるしかありませんから」
良いことだけでなく、悪い部分も含めてありのままの自分を受け入れる。頭では分かっていても、なかなかできないことです。私なら、すぐに逃げ出してしまいます。
自分のスキルを出し惜しみせず、ありのままを受け入れるShinさんでも唯一顔出しはNGです。コンサルタントという仕事柄、さまざまなお客様のもとへ行くため、余計なノイズは入れたくないとのこと。
「お客様に『この本、書いたのはあなたですよね』ってバレちゃうと、ややこしくなることもありますから……。本を書く時間があるなら、相談をきいてほしいと思うお客様もいるかと」
うーん、難しいところですよね……。それでも、本業を続けながら「Players」を運営する選択を取るShinさん。独立することを考えているかを伺ってみましたが、答えは「NO」でした。
「本業で海外の人たちと仕事をし、そこで得た知識や経験を『Players』や著書を通して誰かに伝える今の働き方が理想に近いので。特に独立は考えていません。将来、大学教授になりたいなっていう願望があるくらいですね」
会社で働きながら大学教授って、素晴らしい夢だと思います。ある意味、独立よりもすごいことのような気が……。
たくさんの悩みを抱えていた新人時代も、コンサルタントや「Players」の運営主として活躍する今も、Shinさんの根底にあったのは「仕事ができるようになりたい」というドロドロした欲望でした。
Shinさんの素晴らしいところは、自分の欲望を満たすと同時に周りへ貢献しているところだと思います。利益重視ではなく、純粋に「誰かの役に立ちたい」という思いで運営しているから、「Players」に多くの人が集まるのではないでしょうか。
学ぶことを忘れず、得たものを全力で伝えることで欲望を満たすShinさんの働き方は、仕事をする人の誰もが理想とするスタイルなのかもしれません。何度も言いますが、見習わなくては!
悩む仕事人は、「Players」に参加してみてはいかがでしょうか?