趣味のキャンドル制作を副業にした同級生の話

どうも皆さん、こんにちは。 サイドラインズのしのぶでございます。

今回の副業ルポは、「キャンドル制作」です。
長年の趣味を副業にしてしまった「あゆみさん」に取材をさせて頂きました。
実はこのあゆみさん、僕の中高の同級生なんです(笑)
※記事の文章中、太字はあゆみさんのコメントです。

Contents

あゆみさんの略歴

キャンドル制作を副業にしているあゆみさん

キャンドル制作・販売を副業にしているあゆみさん。おしゃれ。

あゆみさんは山形県の酒田市に住む28歳の女性です。冒頭にも書きましたが、彼女と僕は中学と高校が一緒で中学の時には生徒会活動、高校の時には市営のボランティアサークルでそれぞれ一緒に活動してきました。今回こうやって取材させてもらうのは若干変な感じがします(笑)現在は市内の歯科医院で歯科衛生士として働く傍らで、趣味だったキャンドル制作を副業にしています。

今回は副業でキャンドル作りを始めるようになったきっかけや、販売に至った経緯など詳しく聞いていきたいと思いますよ~

【Gallery】あゆみさんのハンドメイドキャンドル

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率直に、凄いですよね、これ。
ぜひ画像をクリックして大きくして見てみてくださいね~

以前からキャンドルを作成しているのは知ってましたが、
凄くオシャレなキャンドル。何よりも凄くいい匂い。
ソイキャンドルのブラックオーキッドが個人的にはお気に入りです。

副業で、しかもハンドメイドっていうと、
もう少し手作り感があるものを想像してしまいましたが、
このキャンドルはハンドメイドなのにスマートでおしゃれな印象です。

中学で生徒会活動をしていた頃から、細かな仕事も丁寧でしたし、
コツコツとこなしている人でしたね~そういえば。

キャンドル制作のきっかけは趣味から

キャンドルとの出会いは、中学3年制の頃で、
受験勉強の時にティーキャンドルをつけながら勉強をしてみたそうです。

「ティーキャンドルっていうのは小さめのキャンドルのことで
燃焼時間が短くて、2時間くらい。その時間に集中して勉強してたんだよね。」

それ以来、ずっとキャンドルを愛用するようになっていて、
アロマキャンドルは毎日使っていたとのこと。
しかし毎日使うようになると、キャンドルの出費も増えてきます。

「ヤンキーキャンドルだと大体1つ400円くらい。ケミカルな匂いのするやつ」

ヤ、ヤンキーキャンドル?(゚д゚)

ヤンキーキャンドルというのは、
ドン・キホーテなんかで売っている、割と大きめの、
芳香剤のような匂いのするアロマキャンドルで、
我が地元庄内ではヤンキーキャンドルというらしい。
_人人人人人人人人人人人_
> 炸裂する田舎っぽさ! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
「そういうの使ってて、これだったら作ったほうがはえーなと思った!」そうです(笑)

実際に作り方を調べてみると、作るだけなら本当に簡単で、
仏壇用のロウソクを溶かして、クレヨンで好きな色をつければ、
容器は紙コップでも大丈夫。簡単にできるらしい。
(確かに、手作りキャンドルって、こういうイメージですよね~)

ただあゆみさんとしては、毎日使うものだからこそ、
作り方には少しこだわりを持ちたかったそうです。

「だから大好きな楽天で『キャンドル キット』って検索した!」

田舎はお店少ないですからね。
ロフトも東急ハンズも、知らない人の方が多い( ´,_ゝ`)
ありがとう楽天。

調べてみると色々とキットが出てきて、
金属の型や、パラフィンワックス(いわゆる”ろう”)、着色料など
合わせて色々買ったそうです。

自宅にキットが届き、ウッキウキで台所に立って、
手始めにグラデーションキャンドルを作ってみたそうですよ。
ちなみに一般的なグラデーションキャンドルっていうのはこんな感じです。

綺麗なグラデーション

綺麗なグラデーション

綺麗ですよね~

そして、あゆみさんが万感の思いで初挑戦し
出来たキャンドルがこちらです。

副業 キャンドル

見事なバイカラー

(  Д ) ゚ ゚

「いい度胸してんな。グラデーションになんねぇじゃねえか」

完成したピンク×青のバイカラーのキャンドルを見て、彼女はそう思ったそうです(笑)
成功か失敗かで言えば失敗だったけど、
それでも愛着が湧いてきて、今でも火はつけれないらしいです。

そこからはとにかく数をたくさん作るようになり、
練習も含めると、100個以上のキャンドルを自作。
元々キャンドルが好きで、作るのも楽しかったので、
どんどん作成していくことになったそうです。

趣味から副業に変わったキッカケは友人の結婚式

 キャンドル作りを始めたのが2015年1月12日。
そして実際に販売を始めたのは、なんと1ヶ月後の2月からだそうです。
そのきっかけになったのは、あゆみさんの友人の知り合いの結婚式でした。

その人はスポーツ少年団のコーチをしている女性で、
手作り感のある結婚式にしたいと思っていたところ、
友人伝いにあゆみさんがキャンドル作りをしていることを知り、
キャンドルサービスに使うキャンドルを作って欲しいとあゆみさんに依頼したそうです。

依頼を受ける以前から、自作のキャンドルをFacebookなどで公開していて、
それが友人伝いに広がって、見事に受注に繋がりました。
キャンドルの色や大きさは指定がなく、
予算も言い値で買うと言われ、気合を入れつつも自由に作っていったそうです。

初めてお客様に納品したキャンドル

お客様に納品したウェディングキャンドル

納期は1周間。初めて人から依頼を受けて、しかもめでたい結婚式で使ってもらえる!これは期待に応えたい!そう思いながら試行錯誤して、カラーは薄いピンクとオレンジのマーブルでいこうと決めた。作っているうちに「ウェディング感を出すために字を入れないとヤバイ」と思いはじめ、字の入れ方を必死で調べたそうです。文字入れ用のタトゥーシールの台紙を購入。パソコンで文字を入力して印刷し、入れ物もキャンドルに合う箱を調達しました。

初収入は3,000円

結婚式に無事、キャンドルを納品することができて、依頼主からは凄く喜ばれたそうです。
キャンドルサービスが終わったあと、ほとんど残っているそのキャンドルが結婚式に参加したスポ小の子供たちがこぞって取り合いをしていて、結婚式に参加した友人としても、とても嬉しかったとのこと。

納品のタイミングで決めなければいけないのが値段です。
言い値でいいと言われても、今まで販売したことが無く、価格設定に戸惑い、自分が作ったものでお金を貰えるのかと、少し申し訳なくも思ったそうです。最終的には市販のキャンドルと比較して、少しだけ安めの価格設定に。手作りのキャンドル8個で3,000円。これがあゆみさんにとっての、副業としての初めての収入になりました。

「結婚式にキャンドルを納品して、人から喜んでもらえたことが単純に嬉しかった」

これがキッカケで、もっとたくさんの人に自分のキャンドルを使ってほしいと思い、
いよいよ副業としてキャンドルの販売をしていくことになりました。

キャンドルの販路に選んだのは、気になる喫茶店

販路としてまず考えたのは、ハンドメイドの商品を専門で扱うショップです。ところが実際に店内を見てみると、多くのハンドメイド商品がただ置かれているだけ、という印象があって、いまいち決めきれなかったそうです。

「自分としてもこだわりを持って作っているキャンドルだから、
それを販売する場所も選びたい」

そう思ったあゆみさんが見つけたのは、市内のある喫茶店でした。以前からFacebookでその喫茶店の存在は知っていたそうです。その喫茶店の店主さんの投稿が面白く、でも真面目。そんな喫茶店に興味を持ったあゆみさんは、早速その喫茶店に行ってみました。

「カフェではない喫茶店」と販売交渉

喫茶CLOAK

喫茶CLOAK

あゆみさんがキャンドルを置かせてほしいと思った喫茶店の名前は「喫茶 CLOAK」水出しコーヒーが自慢のお店です。実はこの取材は、この喫茶CLOAKをお借りして行ったんですが、凄く雰囲気の良い、美味しいコーヒーのお店でした。ただ、あゆみさんが喫茶CLOAKに惹かれた理由はそれだけではなく、このお店に自分のキャンドルを置きたいと思った決定的な理由は「CLOAKがカフェではなく、純喫茶である」という点でした。

喫茶CLOAKのアベさん。写真からも溢れ出る良い人感

喫茶CLOAKの店主アベさん。写真からでも溢れ出る良い人感

日本全国にあるコーヒーショップは、あくまでも飲み物を販売しているカフェですが、この喫茶CLOAKは、お客さんが一人でふらっと来ても、店主のアベさんが話相手になってくれて、お店にいる他のお客さんとも仲良くなれてしまう。そんな純喫茶のような雰囲気が、あゆみさんにとって凄く居心地が良かったそうです。そんな喫茶CLOAKにキャンドルを置いてもらうために、恐る恐る「最近キャンドル作ってるんですよ」と交渉を始めたそうです。使い方をプレゼンしたり、写真を見せて、お店に置いてほしいということを店主のアベさんに率直にお願いしてみたところ「いいですよ~」と軽くOKをもらえたそうです。

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キャンドルのセールスマンもしてくれているアベさん

商品のレイアウトに関して、余計なポップを置きたくないというあゆみさんの意向があったのですが、それもアベさんは「大丈夫ですよ、商品の説明は自分がお客様に直接するので」と言ってくれるいい人っぷり。お店のレイアウトもある程度自由に決めさせてもらって、お店選びは大成功となりました。僕もこの喫茶CLOAKにはまた行きたい!

一気に20個の発注が来ることも

こうして副業としてのキャンドル制作を始めたあゆみさん。こうなると俄然気合も入ります。キャンドルの容器やラベル、そしてブランド名なども自分で考えて作成しています。

今のところ、販売しているのはこの喫茶CLOAKのみで、お店に置いているキャンドルが少なくなってきたらアベさんから連絡を貰って、キャンドルをお店に補充に行きます。販売時の梱包や管理はアベさんにお願いしています。

キャンドルを販売する際にはカードを添えていて、そこからリピーターのお客さんが連絡をくれたりもするそうです。実際に販売を初めて9ヶ月ほどだが、一気に20個ものオーダーが入ることもあるそうです。

キャンドルの売上原価率と毎月の売上

副業のキャンドル作りにあたって、原価率はどれくらいなのかを尋ねてみた。

「原価率は大体3割くらい。タイミングによっても多少前後するけど」

これを聞いて、皆さんどう思います?副業でも転売やせどりなどの物販をやったことのある人ならば、

「てことは粗利で7割?いいな~」

と思うかもしれません。ですがこの原価率、業界的には決して高くなく、むしろちょっと良心的な設定かなと思います。これはあくまでも製造、卸、小売という流通の中での話ですが、メーカーとしては原価が小売価格の1割は一般的で、原価率2割だと優しい方とさえ言われています。飲食店なんかでも、原価率1割~2割というのは一般的です。

続いて、毎月の売上に関しても聞いてみました。

8月の売上は1万円超え

8月の売上は11,600円。9月も1万超えです。

売上額はまだバラつきはあるものの、月の売上が1万円を超える月もでてきています。これは物販をやっている人ならわかると思いますが、ゼロから売上を上げるのって、本当に難しいことなんですよね。僕もAmazonを販路にして物販をしていますが、集客に関してはAmazonにおんぶに抱っこの状態です。商品もゼロから作り、販路も自分で開拓して、それで月1万円の売上を上げていくのは、副業でやる場合は結構大きなハードルです。

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売上管理はアベさんがしてくれています。

副業としてキャンドル作成を行って9ヶ月。この9ヶ月の収支の合計は、2015年11月時点では数千円のマイナスだそうです。その要因は材料の仕入れをまとめて行っているためです。仕入れた材料のストックがあり、毎月売上も上がっているので、近いうちにには黒字化するのではないでしょうか。仕入れの費用が先立つのは、どんな物販でも同じことですね。

ネット販売も考えているけど・・・

自分が副業として作成したキャンドルをネットを通じて販売することは副業開始当初から考えていたそうですが、キャンドル自体の単価が、送料を加えることで高くなることや郵送時の破損などのリスクを考えると、まだ模索段階とのことでした。

酒田市のローカルな販路でも実際に買ってくれる人が居てくれるので、ネットで販売した場合も売れるイメージはあるけど、そうなってくると、自分の副業のキャパシティを超えることになる

あゆみさんはこの副業でのキャンドル制作を、無理に拡大していくイメージは無いそうです。これで生計を立てていくつもりもなく、変に忙しくなってしまうよりだったら、今は現状に満足しても良いのかなという思いもあるとのこと。

副業の良さは、得られる気持ちの豊かさ

確かに、あゆみさんのキャンドル作成は今でこそ立派な副業ですが、元はあくまでも自分のキャンドルを自分で作るという「趣味」だったものです。今でもキャンドル制作を純粋に楽しんでいて、新たなキャンドルを作ることにも意欲的。そんなあゆみさんに、ここまで出来た理由を聞いてみました。

「副業を楽しく続けられる理由は、暮らしが豊かになっている実感があるから」

あゆみさんのこの言葉は、副業の1つの本質ではないかなと思います。本業で普通に働いてもらう1万円と、自分で作ったキャンドルを売って得た1万円では同じ1万円でも全然違うものに感じるそうです。

好きなキャンドルを無理のない範囲で作っている。季節に合わせていろんなキャンドルを作る。良い香りのするキャンドルがやはり人気で、これからもどんどん新作を作っていくつもり。そのキャンドルを納品する度に、喫茶CLOAKで美味しいコーヒーを飲み、アベさんと談笑しながら、お店にレイアウトしていく。

目の前で実際に自分のキャンドルが売れていったこともある。1度だけ参加したイベントでは、自分の手で直接販売もした。その嬉しさは大きい。そしてその結果、毎月臨時収入的にお金が入ってくる。その日はタスマニアビールで乾杯するそうです(笑)

確かに副業というのは、利益が発生しなければ続けられません。金銭的な利益を一切求めないものは副業というよりはボランティアですね。ですが同時に、副業は金銭的な利益の追求だけを求めてやるものでも無いですよね。

あくまでも私生活や本業に支障の出ない範囲で、
生活を豊かにするような、本業では得られない喜びや経験と
結果的に得られる金銭的な利益。

これも1つの、立派な副業の形だな~と思います。
これからもっと、こういう人は増えていくでしょうね。

取材を終えて

今回取材させてもらって、こういう働き方の在り方があるということをもっともっとたくさんの人に知ってもらいたいなと強く思いました。

実際に自分の趣味を副業にしている人っていうのは、意外と少なくないのですが、その趣味から副業までのプロセスを知ったり、実際にどんなふうに副業をしているのかを知る機会はまだまだ少ないんじゃないかなと思います。それは副業をしている人で、情報発信までしている人が少ないからです。

年々、ソーシャルメディアや自分のブログなどで副業の情報発信をする人は増えてきましたが、特に女性ではまだまだ少ないです。そんな中で、今回のあゆみさんのキャンドル作成の副業は今までとは違う働き方、仕事の仕方に興味のある女性にとって、1つの貴重な成功事例なのではないかなと思います。

これからも素敵なキャンドルを作り続けてもらいたいですね~

あゆみさん、今回はありがとうございました!

キャンドル制作風景

最後に、あゆみさんの自宅にお邪魔して、
実際にキャンドルを作成している様子を見せてもらいました!

作業に使う器具

作業に使う器具。大体100均で揃うらしいです

キャンドルの型。ポリカーボネートの型は中も見えて使いやすい

キャンドルの型。ポリカーボネートの型は透明で中が見えて使いやすい

着色料。試行錯誤しながら微妙な色合いを作り上げています

着色料。試行錯誤しながら微妙な色合いを作り上げています

香りをつけるためのエッセンシャルオイル

香りをつけるためのエッセンシャルオイル。香りをつけるために多めに入れます。

今回作ってもらうのは人気の香り付きのソイキャンドル

今回作ってもらうのは人気の香り付きのソイキャンドルです。

ソイキャンドルのワックスを溶かしてます

ソイキャンドルのワックスをIHコンロで溶かしていきます。

ソイキャンドルのワックスは融点が低く、香りをつけやすい

ソイキャンドルワックスは融点が低く、香りをつけやすいのが特徴です

70度台で完全に溶けてしまいます

70度台で完全に溶けてしまいます

キャンドルの芯をハサミで切って長さを調節します

キャンドルの芯をハサミで切って長さを調節します

溶けたロウを使い、容器の底に芯を固定します

溶けたロウを使い、容器の底に芯を固定します

ろうの温度が60度台になったらオイルを入れて香りをつけます

ろうの温度が60度台になったらオイルを入れて香りをつけます

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オイルで香りのついたロウを容器に移します

割り箸を使って容器の中央に芯を固定。徐々に白く固まってきます

割り箸を使って容器の中央に芯を固定。徐々に白く固まってきます

容器に移し終わったら、余分な芯をハサミで切ります。

容器に移し終わったら、余分な芯をハサミで切ります。

完全に固まったら蓋を合わせます。

完全に固まったら蓋を合わせます。

ラベルも自作しています。

ラベルも自作しています。

キャンドル完成。良い香りです。

キャンドル完成。良い香りです。

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お買上げ時にはラッピング用の袋に入れてシールを貼ってお渡しします

 

■あゆみさんの販売するキャンドル「ENVY」に関するお問い合わせ
連絡先:hibana0416@gmail.com

■ENVYを販売しているお店「喫茶 CLOAK」
住所:山形県酒田市若竹町1-2-1

喫茶CLOAKのフェイスブックページ

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