副業としてアリかも。ワニの養殖の視察に行ってきました。前編

こんにちは。サイドラインズの信夫です。
2017年12月12日に、ワニの養殖を行っている人を訪ねて香川県まで行ってきました。ワニの養殖ってなかなかイメージ無い方もいらっしゃると思うんですが、実は日本でも行われています。10年位前にがっちりマンデーでワニの養殖を特集していて、猛烈に興味が湧いていたのです。ずっと情報収集はしていて、香川県でワニを実際に養殖している方を見つけてコンタクトを取り、実際にお話をうかがってきました!聞いてきたお話をもとに、個人が副業で行うワニ養殖の可能性を探っていきたいと思います。

ワニの養殖って?

動物園なんかでも姿を見ることが出来るワニ。ただね。なにせワニですから。個人で飼育している人なんて少ないですし、僕なんかはパニックになってハンマーで叩くか、ポロシャツにラコステしたことくらいしかありません。
ですが日本でも、牛や豚、鶏と同じように飼育して肉や革を販売するビジネスは既に行われています。有名なところでは、静岡県にある小池ワニ総本舗さんですね。実は冒頭でお話したがっちりマンデーで特集されていたワニ養殖の会社が、小池ワニ総本舗さんでした。

世界を見てみると、中国、タイ、カンボジア、オーストラリアでは盛んに養殖が行われています。中国の南部ではワニは高級食材として扱われていて、普通のスーパーマーケットでも売られています。

いざワニの養殖場を見に香川県へ

がっちりマンデーでワニの養殖を見て以来、ずっと情報を探していたのですが、小池ワニ総本舗さんは今は取材を受け付けておらず、なかなかコンタクトの取りやすい養殖業者さんを見つけられずにいました。引き続き探していたところ、香川県でワニのオーナーを探している非営利法人を見つけました。それがこちらの喜望峰さんです(http://kibouhou-hige.com)

※今回、このページ内では便宜上、ワニの「養殖」と記載していますが、喜望峰さんが行っているのはワニの「畜産」です。

空港到着1.5時間で頂く怒涛のおもてなし

喜望峰の理事をなさっている倉岡さんに空港までお迎えに来て頂き、早速ワニの養殖場を見に、行く前に腹ごなしとなりました。実は倉岡さんと連絡を取り合っている中で「信夫さん、どこか食べたいうどん屋調べておいて下さい!」と仰せつかっており、水曜どうでしょうで頻繁に話題になっていた「山越(やまごえ)」さんに是非行ってみたいとお願いをしていたのです。
すると倉岡さん、ご丁寧にお店の下見までしてくださっていて、空港に到着するやいなや、怒涛のおもてなしを受けました・・・!

うどん 山越

水曜どうでしょうでも紹介された山越さん

次は池内さん

うどん いなもく

人生の楽園で紹介されたいなもくさん

いけもくさんのおうどん

空港に到着したのが9:15で、10:45までの間の90分で、うどん屋さんを3軒、計5玉のうどんと天ぷら、味の染みた厚揚げをご馳走にになってしまい、お腹がはちきれそうになりました。なんならもしかしたら養殖されているのは僕なのかもしれませんでした。

いよいよワニの養殖場見学へ

お腹も満たされまして、いよいよワニ養殖場の施設見学です。

施設基準の1つでもある鉄の扉

日光浴のための砂場

砂場から出ないように「返し」も。

そして喜望峰さんで飼育しているワニ達。

2匹のワニ

喜望峰さんでは現在、2匹のワニを飼育しています。実は元々はもっと多くのワニを飼育していたそうなのですが、この数年で死んでしまったとのこと。死因は明らかではないですが僕なりに調べてみたところ、飼育しているワニが死んでしまう要因の1つとして「体温の低下」が考えられるようです。ワニは変温動物で、自分で体温の調節が出来ない動物です。外部の温度によって体温が変わり、多くの変温動物は、周りの気温よりも少し低めの体温をしているとのこと。そしてこの体温の影響を大きく受けるのが食事です。ワニが食事する時に適している気温は31°と言われており、それ以下の温度だと消化不良を起こしてしまい、突然死してしまうことがあるようです。

実は少食のワニ

水面から目と鼻だけ出して近づいていって、水辺にいる仔牛なんかをこうガブッといってそうなイメージがありますが、実は凄い少食らしいんです。小さい時は頻繁にエサを食べるものの、体格1メートルを過ぎたあたりからは1週間に1度くらいペースでも全然だいじょうぶみたいです。前述の体温変化の関係もあり、気温の下がりやすい秋冬は月に2~3度の食事にしている方もいるのだとか。恒温動物である私達の場合、体温を維持するためにも食事が必要なのですが、ワニはそれが必要無いんですよね。活発に動き回ることも無いので、そもそもそこまでエネルギーが必要ないそうです。むしろ食べ過ぎには注意しないといけないらしく肥満で死んでしまうこともあるのだそうです。これは逆に考えると、エサ代や、餌やりに費やす時間が少なく出来るとも言えそうです。

ワニを養殖するためには施設基準が大変

ワニは人に危害を加える可能性のある動物として「特定動物」に指定されていて、養殖するには飼育するために都道府県知事の許可が必要になります。厳密な施設基準は都道府県によっても異なりますが、飼育環境に求められるおおまかな条件としては、以下です。

・コンクリートの床
→ワニは土を掘る習性があるため床が土だと掘ってしまい、そこから外に逃げ出してしまう可能性があります。それを防ぐために飼育場所の床はコンクリートである必要があります。

・壁面もコンクリートもしくは金属
→床同様に、逃げ出さないように頑丈である必要があります。喜望峰さんでは壁の段差にワニが乗らないように、段差には「返し」をつけていました。

・建物のドアは鍵をかけられるようになっている
・中と外を区切るために、施錠が可能なドアが2枚以上必要。
→こちらも先程の写真でご覧頂きましたが、鍵がかけられる鉄製のドアが必要です。

などなど。ちなみにワニを運ぶ際にも都道府県の許可が必要です。喜望峰さんではワニが関西国際空港に到着した際に、香川まで運ぶために通行する全ての都道府県の許可をもらったそうです。飼育を始めるにはとにかく多くの手続きをしなければならず、かなり大変だとのこと。

ワニってどうマネタイズするの?

養殖して育てたワニをどうマネタイズするのか。食用っていうのはパッとイメージできると思うのですが、実はワニって様々なマネタイズの可能性があります。それをいくつかご紹介していきたいと思います。

ワニのマネタイズその1 食肉

ワニのお肉は、実は高タンパク低カロリーで、食感は鶏肉に近く、非常に美味しいのです。大阪府の豊中市ではワニ肉のグルメを地元の名物化しており、中でも一番人気のあるのは、ワニのタン(舌)だとか。

ワニのマネタイズその2 革製品

高級バッグや財布、ベルトなんかにもよく使われるのがワニの皮です。ワニ革を使ったアクセサリーは非常に高級で、数十万円~数百万円にもなります。お腹側の革と背中側の革で模様が異なるので、使用する皮革製品によって革のとり方も異なるんだそうです。

ちなみに喜望峰さんで、ワニ革のサンプルを見せてもらいました。

非常にやわらかいワニ革

これは背中側の革です。この革をなめすのも結構たいへんなようで、この1匹の革をなめすのにも○万円かかるそうです・・・!これは小さい個体の革だからかもしれませんが、思っていた以上に非常に柔らかかったです。

ワニのマネタイズその3 血液・骨格

ワニって、実は研究の対象としても非常に価値のある動物らしいんですよね。ワニはよくワニ同士で喧嘩して、鋭い牙に噛まれて怪我をすることもあるのですが、その傷も数日で治してしまうような強力な免疫機構を備えているんですって。血液の中のタンパク質から強力な抗生物質を作り出せるため、人間への応用に向けた研究が行われているようです。

ワニの養殖は副業で行うことが出来るのか?

ワニの飼育に関してお話を聞いていると、やり方によっては、副業でもワニの養殖を行える可能性はありそうだなと感じました。それは人間が稼働しなければならない時間が少なくて済みそうだからです。もちろん「簡単に飼育できる!」とは言えないのですが、大きくなればエサは週1回前後になりますし、熱帯魚のように頻繁に水換えをする必要もないです。人間が稼働しなければいけない時間ってほとんどなさそうなんですよね。一番気を使わないといけないのが施設内の気温や水温調整だと思われますが、それこそ機械的に管理をした方が良さそうです。

とは言え、今回話しを聞いてみて、ワニ養殖を一般の人が始めるには課題も実は多くあることがわかりました。。次回はその課題や、個人が副業で始めるための方法をご紹介していきたいと思います。後編はこちら

カンボジア視察で感じたワニ養殖の副業としての課題

 

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