複業・副業は自分を知るための手段/働き方実験家 松田然さんインタビュー 後編

こんにちは。サイドラインズのMyoon(ミュン)です。

日本に暮らしながら、1ヶ月の内の半分くらいは国内や海外を旅行して、その間にも収入を得る、そんな生活が本当に送れるとしたら……?

そんな誰もが憧れるライフスタイルを実現している松田然(もゆる)さんのインタビュー後編です。

前編の記事はこちら↓↓
https://sidelines.jp/post-1041

■複業・副業は何でも叶える万能薬ではない。

好きなことをしながら自分らしいライフスタイルを叶えるためには、どうすればいいのでしょうか。まずは生計を立てるためのライスワークを作る傍ら、複業・副業を始めてみるのが正解でしょうか?

こんな質問をしたところ、「複業・副業は何でも叶える万能薬ではない」という、それこそ劇薬みたいなメッセージをいただきました。向いている人もいれば、向いていない人もいる。その薬が効くかどうかは実験してみないとわからないということですね。

それでも、インターネットが発達した現代、昔に比べて本業以外に仕事を増やすリスクは低くなりました。パラレルワーク(複数の仕事)を経験することの価値は、自分の好きなこと、得意なことを見つけられることにもあると松田さんは言います。

松田さん自身、2010年に独立してすぐの頃は、やってみたいことにどんどん挑戦し、気が付いたらどれも中途半端になってしまった時期があったそうです。その状態から勇気を出して好きなことに絞っていく作業をすることで、自分のブランディングができるようになり、結果、仕事を絞ったにもかかわらず収入も上がったという経験をされています。

まずは、実際に複業を通じて行動をしてみれば、自分の可能性が見つかるし、その段階に来ると、やりたいことに絞って一直線に向かっていけるということですね。

松田さんは、仕事を拡げて・絞るの繰り返しの波は、今後もやりたいことを実現していくなかで、定期的に訪れるものと捉えています。

まずは行動することからですね!

■「人を動かす」仕事ができるか

ちなみに、ライター業って、旅をしながらできるものなのでしょうか?
なんだかいいお話に水を差すようですが、「ぶっちゃけ儲かるんでしょうか?」という質問を投げかけてみました。(つつましく生活するライターの端くれとして大変気になるところ!)

松田さんがライターの仕事で大切にしていることは「人を動かす」文章を書けるかどうか。そして、自分の強みを活かせるか。ライターの仕事もさまざまな種類がありますが、これができるライターとできないライターとでは収入に大きな開きがあるそうです。

なんでもいいから書く仕事にはクライアントからも大きなリターンは得られません。それに比べ誰が書いたのかがわかる記事、結果、ビフォー・アフターが大きく変わる(集客したいライブハウスがお客さんでいっぱいになるとか)ような仕事に対しては、クライアントからも相応のリターンが得られるということですね。

例えば、ただの観光記事なら、そこに行けば誰でも書けますが、松田さんの場合、自転車で行ったり、そこで働く人を取材したりすることで松田さんらしい記事につながり、それが強みになり、読者にも伝わっています。

常に(物理的にも自転車で)自分が動いている松田さんがいうからこそ、まずは動いてみよという言葉にも、人を動かすという信念にも説得力が出ますね。

■端正かつクレイジーな人

実際にインタビューをしてみたところ、ガツガツした体育会系ノリではなく、理路整然と端正に、筆者の理解度を確認しながら話を進めてくれる、やり手の家庭教師みたいな方でした。話し方は理性的だけど、話している内容は感情にとてもフォーカスしているところが印象的でした。

松田さんは独立当時の自身のブログの中で「起業して1年目で感じた、何かを仕掛ける時に必要な20のこと」(http://moyulog.com/entrepreneurship-1-year/)という記事を書かれていますが、その中の2番目に、「Stay crazy~常にクレイジーであれ~」ということを掲げています。

松田さんの考えるクレイジーとは、単なるバカをやることではなく、自分の感情に正直になって動くということ。

複業として、いろいろなことをしているように見えるけど、実は共通したシンプルな目的に向かって、日々、目標を立てて動いている人。その一方で、ワクワク感と達成感を求めて宿も決めずに自転車で日本中を回るという破天荒なことをやってしまう人。

松田さんは、感情に正直に生きながらも、それを明確な目的と目標意識をもって進められる、端正かつクレイジーな生き方をしている人でした。

最後に一言いただきました。

「複業・副業する人は、お金をもっと稼ぎたい人や、将来が不安だからリスクテイクのために仕事を増やす方も多いと思います。それは間違いではないのですが、どうせいろいろやるなら、ワクワクする仕事を増やしたいですよね? きっとたくさんのことをやると、自分にとって楽しいことや大変なことがわかるはず。その中から、心が喜ぶような仕事を取捨選択していくと、より自分らしい生き方が実現できるかもしれませんよ。複業・副業は自分を知るための手段であり、生き方の実験にはとてもいいと僕は考えています」

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