会社へと所属しているサラリーマンで、「就業規則上は副業はOKなの?それともNGなの?」と疑問を抱えている方は少なくありません。イメージではダメそうな気がしますが、実は副業をしてはいけないと就業規則で決められているのは公務員だけなのです。一般の会社員の副業を全面的に禁止することは法律上で許されず、私たちには基本的人権の自由権があります。
・会社に所属している社員はあらかじめ定められた勤務時間のみ労務に徹しなければならない
・就業時間以外に関しては個人それぞれが私生活で自由に時間を使うことができる
上記のように法律上は決められているため、あなたが公務員や公職でなければ会社の就業規則で副業がNGだとは決められていません。仕事が終わった後は友人とご飯を食べに行ったり資格の勉強をしたりと何をしても自由ですし、副業もその一つだと考えられています。
①会社の就業規則で副業を禁止したとする
②社員のプライベートの時間を会社が介入したことになる
③無制限に禁止することは許されない
こういった仕組みとなっているものの、憲法は会社を取り締まる法律ではなく国家権力が勝手にしないように縛るために作られました。つまり、副業の禁止に関しては当事者同士の合意次第ですし、雇用上のルールブックの中に副業禁止の記載があればその指示に従わなければなりません。また、会社の就業規則は以下のように雇用形態で幾つかに分かれています。
・正社員用
・契約社員用
・パート用
「パートやアルバイトは副業OKでも正社員はできない」と決められていることもあり、不安な方は事前にチェックしておきましょう。
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公務員や公職は副業禁止!
公務員や公職は、いかなる理由があっても副業が禁止されています。
・時間に余裕があるから副業で稼ぎたい
・お金に余裕がないから副業を始めたい
このように考えている方はいますが、公務に公平性を欠くからこそ職業の性質上で営利目的のビジネスには加担できないのです。
「副業での金額が少額」「業務に支障を来たさない」と例外はあっても、基本的には就業規則上で副業に手を出さないのが賢明だと言えるのではないでしょうか。
就業規則の効力は?副業はやっぱり無理?
果たして会社で設定されている就業規則にどの程度の効力があるのか気になるところです。
・法律で全面的に禁止されていないのであれば大丈夫なのでは?
・副業はやっぱりいかなる理由があっても無理なのでは?
上記のように悩んでいる方は多いのですが、合理的な理由があれば会社側は副業を禁止できます。ケースバイケースで就業規則は効力を発揮し、一体どんな時に副業禁止が有効となるのか幾つか挙げてみました。
副業による疲労で本業へと支障が出ている
少し考えれば分かりますが、長時間に渡る副業を行っていて疲労で本業へと支障が出ている場合は会社の就業規則の中で副業禁止が効力を発揮します。以下では副業に関する代表的な判例を挙げてみたので見ていきましょう。
・建設会社で事務を行う女性社員は飲食店で6時間を超える副業を陰で行っていた
・会社にその事実が発覚して解雇され、裁判所へと申し出た
・単なる余暇利用のアルバイトを超えると裁判所では見解している
・本業に支障を来たす可能性が高く、会社の解雇の有効性が認められた
副業へと熱心になり過ぎて本業の業務を疎かにしてしまったり、休みや早退が多くなったりすれば会社にとって不利益しかありません。そんな状態では解雇されても何も文句は言えず、就業規則で禁止されていなくてもほどほどに取り組むのが社会人としての最低限のマナーです。
本業と副業が競合関係にある
本業での業務と副業で取り組んでいるビジネスが競合関係にあると、会社は副業を禁止させられます。副業が本業と同じ業種の場合、会社にとって不利益となっても不思議ではありません。本業の顧客や取引先と接点を持っているケースでは間違いなく罰せられますし、私たち社員は「副業は禁止ではないでしょ?」と権利を振りかざすことができないのです。
・自ら同業を営んで会社にバレて解雇にされた
・裁判所は信頼関係を損なう背信的行為だと認めた
・解雇は有効だと判断した
このような裁判は以前に起こっており、副業を始めようとしている方は本業と業種が被らないようにしたり顧客と接点を持ったりしないように注意してください。
会社の信用を失うような副業(行為)をしている
副業の内容が会社の信用を失うような行為の場合、副業禁止という就業規則の効力が発揮されます。具体的にどんな内容が挙げられるのか幾つか見ていきましょう。
・マルチ商材を扱う
・反社会勢力と接点を持つ
会社の信用を落とすようなことをして怒るのは当然ですし、社会通念上も解雇や懲戒処分相当だと考えられます。懲戒処分に該当しない副業であれば罰せられることはないものの、全面禁止や許可制となっているケースは少なくありません。「人事担当の誰かが保管している」「パソコン上でデータとして閲覧できる」と就業規則が記載されている場所は異なり、自分の会社ではどう決められているのか確かめてみてください。