Part3にて、富士市と田子の浦地区で揺るぎない地位を確立した「田子の浦ロックバンド 拳骨パンチ」。
http://sidelines.jp/post-4581
その発起人のドラゴンは、父親であり、会社員であり、バンドマンであり、趣味のクラシックカーやアンモナイトにも力を平等に注いでいます。
どうしてこんなにも活発に動けるのか?
なぜここまで地元に愛を注げるのか?
本当に家族は大丈夫なのか?
そしてこの先どうするつもりなのか?
そんな疑問が湧いて仕方ない僕(OOX)ですが、このPart4では、そんな疑問を一気にぶつけてみたいと思います。
コンテンツ
ドラゴンの辞書に「忙しい」「しょうがない」の文字はない! 最強両立法を大公開!!
「家族との時間はきちんと毎日取ってますよ!」
そう言い放つのは、これまで紹介してきた、精力的過ぎるほど精力的な複業家、ドラゴンである。
2児の父親であり、最愛の妻を持つ夫でもある「男、ドラゴン」には、あるポリシーがあるそう。
「父親は基本的に放任主義。子供を心配するのは母親の仕事。でも本当に困った時は、父親を頼ってきて欲しい。そのいざという時に備えて、地域で人脈の幅を広げ、最愛の人を助けられるだけの器量と力量を蓄えておくのが父親の仕事である」と。
なんともかっこいいポリシーですね! 頼れる父親が家を守ってくれている。こんなにも頼もしいことはないじゃないですか!!
僕も3人の子供を持つ父親ですが、まだまだそんな風にドンと構えられる領域には至っていません。早く立派な父親になりたいものです……。
そんなドラゴンも、10年程前までは、毎回ライブに家族を招待していたそうですが、今は思春期を迎えた息子たちの意向もあり、無理には誘わないのだとか。
バンドの活躍の場であるライブは、主に週末に開催されることが多いのですが、果たしてお子さんの行事はどうしているのでしょうか?
その答えもとても意外なものでした。
「僕は地元のアイドルなので、仮に子どもが主役の会に顔を出してしまうと、途端に主役の座を奪ってしまうのです。だから子どもが主役の会にはなるべく顔を出さないか、バレないようにコソッと参加しています(笑)」
本心かどうかはわかりませんが、なんともロックスターらしい回答ですね。
でもそんなドラゴンでも1日は24時間しかありません。ではどうやって時間を工面しているのでしょうか?
その方法はとてもシンプルかつ筋の通ったものでした。
「仕事もバンドも趣味も過程も、優劣つけずに先約優先!」
なんだそうです。
基本的に自分のことを欲張りと表現するドラゴンは、誘われた時に「楽しそう!」と思ったことは、決して断らないのだとか。
ただ、そんな自分の好奇心を駆り立てるイベントやライブのお誘いが来ても、「先約優先」を貫いているのだそうです。
欲しかったのはみんなで騒げる秘密基地。副業の枠を超え、地域活性化を目論む男
仕事も過程も趣味も。常に惜しみなく力を注ぐ男、ドラゴンには、最近もっぱら夢中になっている活動があるそうです。それは「5108BASE(御殿場ベース)」と言う名の秘密基地。
富士市からほど近く、富士宮市と同様に富士山麓に位置する静岡県の都市「御殿場市」と言うところで、人知れず秘密基地を作っているのだとか。
その場所は長年放置された畑が雑木林になってしまった土地。
ひょんなことからその土地のオーナーから開拓を託されることになったそうです。
「エネルギーを失った土地に命を吹き込む。そうすることで人が集まるようになり、その土地が再生される。するとそこにコミュニティができて、エネルギーを吹き返す。僕はそんなことがずっとやりたかった。」
と力強く語ってくれたドラゴン。
今では「BASE活動」と称して、自身の5108BASE以外の土地を再生させる活動もスタートしているのだとか。
DIYで2年間。自分と仲間の力で開拓した5108BASEは、やっと形になり今年から着々とイベントをスタート。
そんなドラゴンの姿を見た土地のオーナーさんも、トレーラーや重機を出動させて、開拓の一助となってくれたそうです。
「場所を介して人が繋がりエネルギーが生まれた瞬間はとても快感だし、この先辞められないと思う。」
そう語るドラゴンの目は、10年後の5108BASEの姿が浮かんでいるかのごとく輝いていました!
サラリーマン、バンドマン、地域のアイドル。さまざまな複業のシーンで見せる男の顔
「彼は副業での交流が活発すぎて、正体が謎なんだよね。」
そんな台詞を僕は知り合いから聞いたことがあります。
実際僕もこのインタビューを敢行するまで、ドラゴンはきっと働かなくても生きて行ける程の経済力のある人か、バンドやその他の複業で大成功をしている人なのだろう。と勝手に思っていました。
でも実は違いました。彼は出版関係の仕事をしているれっきとしたサラリーマン。
本業をキッチリとこなし、空いた時間で人生を謳歌する複業家なのです。
毎回思うのですが、そんな複業家の人々はどうやって自分の気持ちやテンションをコントロールしているのでしょうか?
僕自身もさまざまな仕事をしていますが、やはり難しいのが気持ちの切り替えと、力加減です。
そんな質問をご多聞に漏れず、ドラゴンにもぶつけてみました。
「常々感じることだけど、サラリーマンとバンドマンは本当に正反対。なぜかって、サラリーマンは縦社会だから、どうしても自分に嘘をつかないといけない場面が訪れる。だからこそ、プライベートとしてやっているバンドや趣味では自分に正直でありたいと思っています。
時々、これだけ趣味を精力的にやっているんだから、好きなことを本業にしたらいいのに! と言ってくれる人はいますが、正直まだその時期ではないと思っています。
だからこそ判断に迷う時が訪れます。仕事を優先すべきか、家庭を優先すべきか、それとも複業や趣味を選ぶのか。そんな時こそ、自分が試される時。すなわち自分への試練だと思ってそれすらも楽しむようにしています。」
と語ってくれました。
「そんな人生の荒波をも『拳骨パンチ』して、乗り越えていきたいです!」
と言うセリフもいただき、そろそろインタビューも大詰めです。
ちなみに本業では副業で活かすスキルを身につけるために、積極的にジョブローテーション(いろんな部署を経験する異動)に積極的にチャレンジもしているそうですよ。
拳骨パンチはドラゴンの根幹。それを支える活動に込められた想い
小さいステージ大きいステージでも、常に全力で。
そんなスローガンを掲げ20年間活動を続けてきた、田子の浦ロックバンド 拳骨パンチ。
これまで紹介してきた通り、彼らはすでにバンドの域を超え、地元のエンターテイナー。遂には田子の浦のアイドルと呼ばれるようになりました。
「僕たち3人が集まった時は、会場を拳骨パンチの空気で満たすことを目標にしています。動員がどうとか、お客さんが盛り上がったとかではなく、僕たちの想いがちゃんと伝わったかどうか。それが拳骨パンチの成果指標なんです。」
そう語るドラゴンがLIVEで一番大切にしているのは「お客さんとのキャッチボール」なんだそうですが、これってちょっとありがちな話かな?と少し意地悪な気持ちで聞いていたのですが、そこはさすがのアイドル。
ちょっとスケールが違いました(汗)
「僕は今とっても幸せなんですよ。だって好きなことを大いにできてるから。だからその幸せのベクトルを中から外に向けて、LIVEにきてくれたお客さんに分けてあげたいと思っています。拳骨パンチのLIVEを観たらなんだか知らないけど幸せになれた! って言ってもらえるのが1番うれしいですね。音楽がどうとか、演奏がどうとかじゃなくて、幸せな気持ちになれた! って言って欲しいです。だからそのために僕が常に幸せじゃないといけない。そこはいつも気にしてます。これをして僕は幸せになれるのかな? って言うのが僕の判断基準なんです。」
「好きなことをしている時、好きなことの話をしている時、その人の顔は1番正直。」
それがドラゴンの価値観なんだそうで、何かに誘われる時も、「その人がそう言う正直な顔で声をかけてくれているか?」を常に念頭に置いているそうです。
なるほど。納得しました。僕がこれほどまでにドラゴンに対して、羨望と憧れを持ってしまった理由が。
彼はココロオドル選択肢を常にしてきたからこそ、こんなにも魅力的な複業家になれたんですね。
最後にベタな質問を。「あなたにとって複業(拳骨パンチ)とは?」
「拳骨」も「パンチ」も言葉の意味は同じ。要するに同じ言葉を並べただけのダジャレなんですが、その名前にこそ、ドラゴンの想いが詰まっています。
「くどいほどしつこく、手を替え品を替え、相手を全力で楽しませる人になりたい。」だからこそ、拳骨パンチは、「バカバカしくも本気で自分と向き合う手段」なんだそうです。
本業ならお金がついてこないとNG。でも副業はそうではなくて、彼の副業(拳骨パンチ)で得られる利益は「人が人を繋げてくれるところ」と語るドラゴン。
本業に従事している自分も、ステージで輝いている自分も、家族と過ごしている父親としての自分も。
全ての自分が本当の自分。それを受け入れているからこそ、ストレスフリーで幸せなライフスタイルが築けているのでしょう。
そんなドラゴン率いる拳骨パンチの2019年の野望は
「田子の浦漁業組合の漁港食堂でLIVEイベントを実施すること」
なんだそうで、近い将来、「拳骨パンチ主催、真昼のビアパーティー」を漁業組合の公認で開催すると約束してくれました。
父親が好き。海が好き。仲間が好き。だからこそ、地元が好き。
そんな強い想いと思い出を胸に、拳骨パンチはこれからも田子の浦のアイドル街道を爆進してくれることでしょう!!