複業家としての第一歩は4.5坪のカウンターバー。遠藤氏を突き動かしたものとは【中編】

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前回の記事で、ものすごい過密(と思われる)スケジュールで1日を過ごしていることが判明した遠藤さん。朝から晩まで働き、たまの休日は家族サービス。昨今は「働き方改革」が叫ばれているにもかかわらず、どちらかというと「昭和の高度経済成長期を支えたお父さん」的な働き方をしているようにも見えます。

だけど、遠藤さんの姿を見ていると全く疲れているようにも見えないし、常に笑顔で楽しそうなんです。私が同じような働き方をしたら、確実にグロッキーになり、夜には10歳くらい老けた顔になっていること間違いありません。

なぜ、遠藤さんは「今時、ちょっと珍しいんじゃないか?」と思えるような働き方をしているのでしょうか? 今のお仕事を始めることになった経緯について、お話を伺いました。

「ありがとう」の一言が人生を変えた

ウイスキー画像

希少なウイスキーも楽しむことができたらしい

まずは、遠藤さんが経営する飲食店「FUJIYAMA TAPAS」について、お聞きしました。

たくの

飲食店を経営することになった経緯について教えてください
最初はね、カウンター席しかない4.5坪ほどのカウンターバーから始まったんです。2005年頃のことです

遠藤さん

たくの

カウンターバー!
はい。10席程度のね

遠藤さん

おおー、これまで伺ったお話から抱いていた遠藤さんのイメージから考えると、なんだかちょっと意外です。いきなり「ドン!」と大きなお店を始めたのかと思っていました。

たくの

もともと飲食店で、お仕事の経験があったんですか?
お店を始める前に、18歳の頃から飲食店でバイトをしていました

遠藤さん

たくの

なるほど!
その頃の自分はね、あまり褒められた生き方をしていなくてね

遠藤さん

たくの

(いわゆる“やんちゃ”だったってことかしら……)
接客も全然できなくてね、よく叱られていましたよ

遠藤さん

たくの

ええ! 今のお姿からは、全く想像できませんが
ははは! でも、そうだったんです

遠藤さん

だって遠藤さん、めっちゃ優しい目をしていますもん。“輩”感がないですもん。

それでも、一生懸命働いていたらね、ある時、お客さまにお褒めの言葉をいただいたんですよ

遠藤さん

たくの

へー!
「ありがとう」って言ってもらえて。すっごく、嬉しかったんです

遠藤さん

たくの

ありがとうって、本当に嬉しい言葉ですよね
それで、「もっとありがとうって言って欲しい!」と思って、23歳の時に独立を決めたんです

遠藤さん

たくの

それが、最初に仰っていただいたカウンターバーなんですね

たった一言の「ありがとう」が、遠藤さんの人生を変えるきっかけになったんですね。

人と人のご縁を結ぶ「EN’S Group」のオーナーへ

FUJIYAMA TAPAS画像

「FUJIYAMA TAPAS」ではライブイベントも開催

たくの

最初にオープンしたカウンターバーの名前は?
「EN’S BAR(エンズバー)」です

遠藤さん

たくの

あ、ご自身の名前に掛けて?
いや、それもあるんですけど

遠藤さん

何か、あるのかな……。

僕は、人との出会いを大事にしたいんです

遠藤さん

たくの

はい
それで、独立の際に自分の店を“人と人とのご縁を結ぶバー”にしたいと思ったんです

遠藤さん

たくの

おお!
それで、「EN’S(エンズ)」

遠藤さん

たくの

なるほど!

ご縁の「縁」と、遠藤の「遠」、2つの意味があったんですね!

フラメンコ画像

ダンサーによるフラメンコも楽しめる

たくの

なんか、ステキな由来ですね。しかも、覚えやすいですよね
ありがとうございます

遠藤さん

たくの

ちなみに、お店を経営するとなると、それなりに知識も必要となる気もするのですが……。18歳からお仕事していたということは、大学には行かれていないんですよね?
そうですね。僕、“幼卒”ですから(笑)

遠藤さん

たくの

ようそつ!?
それだけ、何も知らない人間だったということです

遠藤さん

たくの

いやいや(そんなわけない)
何も知らない人間でしたが、人から聞いたり、自分でセミナーに参加したりして、経営に必要な知識を学びました

遠藤さん

それって、結構スゴいことなのではないでしょうか……。セミナーに参加しても、実にならない人だっています。でも、遠藤さんは学んだことを糧に、お店を経営する目標を達成したわけですから。地頭が良い人なんだな……。

たくの

しばらくはカウンターバーを経営していたわけですね
はい。で、2009年に30坪の場所に移転して、イタリアンメインのダイニングバーに拡大させました

遠藤さん

たくの

業務拡大ですね!
結構繁盛して、スタッフもたくさんいたんですよ

遠藤さん

たくの

おおー
それで、ダイニングバーだけではスタッフを賄いきれなくなってしまって。従業員が働く場を増やすため、富士宮駅前に今の「FUJIYAMA TAPAS」が入る60坪の2階建てのテナントを買ったんです

遠藤さん

男前すぎます! でも、経営者ってこういう判断をベストなタイミングでできる人がなるべきなんでしょう。

でもね……

遠藤さん

……むむ?

挫折も家族とともに乗り越えた

家族画像

家族の支えがあってこそ

「FUJIYAMA TAPAS」をはじめてしばらくしたら、ダイニングバーにいたスタッフが全員辞めてしまったんです

遠藤さん

たくの

うええ!? そんなことってあるんですか?
いやー、あるんですよ

遠藤さん

いやいや、嘘でしょ。

ダイニングバーがオープンしてから、ずっと支えてきてくれたスタッフだったんですけど……。その後の店長候補を育てていなかったので。これは、僕のミスですね

遠藤さん

たくの

非常に聞きづらい部分ではございますが、“引き抜き”的なものなんですかね?
まあ、そんなものですね。“とられた”自分も問題ありですけど

遠藤さん

ツラすぎです……。

それで、ダイニングバーの方は閉めちゃったんです。お店を回せる人がいないですから

遠藤さん

たくの

うわあ……
それでもね、家族がいたから

遠藤さん

たくの

へ?
奥さんは店を手伝ってくれたし、何より子どもたちがね。僕らが店を開けている間、子どもたちは留守番だからさみしい思いをさせることになるわけです

遠藤さん

たくの

はい
でもね、子どもたちはね。「僕たちも手伝うよ!」「お皿を洗えるよ!」って、言ってくれたんです。嬉しいですよね

遠藤さん

嬉しいを通り越して、泣きます。なんて、ステキなお子さんたちなの。

それで、なんとか続けてこられて、今は10人のスタッフと一緒にお店をやれています

遠藤さん

いざという時に支えてくれるのは、やはり家族なんだなとしみじみ。でも……。

たくの

「FUJIYAMA TAPAS」の経営だけではなく、ポータルサイトも運営しているんですよね?
はい(笑)

遠藤さん

飲食店経営だけで十分な気もする中、どうして遠藤さんはポータルサイトの運営に乗り出したのでしょうか。後編へ続きます。

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