旨みで世界平和!? 元チームラボ社員が仕掛ける椎茸祭

こんにちは! 食いしん坊が止まらないSIDELINESのMyoon(ミュン)です。

今回は食に関わるユニークな新規事業に取り組んでいる方を取材してきました!

株式会社椎茸祭 代表取締役の竹村賢人さんです。

 

椎茸栽培キットとは?

竹村さんが普及に努めるのは椎茸栽培キット。

椎茸を自宅で栽培、収穫できる商品です。

乾いたときだけ水をやればよい手軽さながら、5日~14日で収穫でき、一度に15~20個の椎茸が育ちます。最大3回まで収穫できるそうですよ。

何がいいって、なんだかファッショナブルで可愛いです!

部屋がカビ臭くなりませんか? と尋ねたところ、「椎茸菌は意外に弱いんです。室内で栽培しやすく改良しているので大丈夫ですよ。」と教えていただきました。

大量の胞子が部屋中に散らばってゴムマスクを着用する事態、にはならないそうなのでご安心を。

 

自宅で椎茸を栽培するメリットは、なんといってもおいしいこと!

実は椎茸はひだが完全に開く前のほうがおいしいのですが、市販のものは育ちすぎていることも多いのだとか。また、生産地から流通に乗せて持ってくるまでに椎茸が傷んでしまうんですね。

さらに、スーパーで手に入る干し椎茸は機械で加工されていますが、自宅で天日干しにしたほうが風味も味もよいそうです。

 

俄然、「しいたけハウス」が欲しくなってきましたね!

 

チームラボから企業が運営するラボスペースへ。絶賛菌類飼育中!

竹村さんの以前の勤務先は、映像技術やテクノロジーを駆使した「未来の遊園地」などの事業で有名なチームラボ株式会社。現在は独立され、取材させていただいた2018年2月現在、「100banch(http://100banch.com/)」というラボスペースで椎茸を育てていらっしゃいました。

「100banch」はパナソニックが2018年に創業100周年迎えながら新たに提供した、若い世代のための施設。公募で選ばれたプロジェクトは、3ヶ月間無償で施設を利用できるのですが、椎茸祭の事業が選ばれたのです。

秀逸なのが、各分野のトップランナーたちが専属でメンタリングしてくれる制度。日本の今後を担う若者とプロジェクトが渋谷駅至近のビルに集結して盛んに交流されており、なんだか明るい気持ちになる空間でした。

尚、2018年3月以降はクックパッドのラボスペースに移ることが決まっているそうです。

この事業の有望さがわかりますね!

 

プロジェクションの仕事で稼いだ資金をつぎ込んで椎茸育成

 

2017年に会社を退職し、独立した竹村さん。

チームラボ株式会社での経験を生かしたプロジェクションマッピングの仕事と椎茸祭の事業を両立するパラレルワーカーです。

あくまでも主たる事業は椎茸祭ですが、収入は副業のプロジェクションがメイン。「プロジェクションのお金をほとんど椎茸にぶっ込んで」いるそうです。

 

なぜそこまで椎茸に首ったけになってしまったのでしょう。

その訳を聞いてみました。

 

 

おいしいベジタリアンフードなら世界中が市場になる

竹村さんが椎茸に目覚めたのはインドでの経験がきっかけです。

また、幼少期の経験も現在に活きています。

インドで働いてみてベジタリアンフードに抱いた不満

 

竹村さんが椎茸に着目したのは、インドでの勤務経験がきっかけです。

インドの住民は約40%がベジタリアンだと言われています。そんなインドで勤務した竹村さんは、「深く考えず」自身もベジタリアンになりました。

 

インドにはベジタリアンでも食べられるフードが揃うレストランが充実していますが、いまひとつ旨みが足りないと感じました。カツオ出汁でも使えばよいのではと思っても、ベジタリアンにとってはカツオもNGです。

 

そんなときに思いついたのが、おいしいベジタリアンフードを作れば、菜食主義ではない人たちも食べられる。みんなハッピーじゃないかということでした。

そして、両者が共通して食べられ、旨みの強い「椎茸ってやばい」と感じたのです。

和食の味付けクイズで鍛えられた小学校時代

どうすれば旨いベジタリアンフードが作れるか?

竹村さんが着目しているのは、昆布×椎茸の組み合わせ、つまりグルタミン酸×グアニル酸で旨み成分を引き出す組み合わせです

実は竹村さんの実家は和食料理屋さん。お父様が料理をされているのですが、小学校の頃はよく夕食を前に「食べ物クイズ」が出題されたそう。みりん、しょうゆ、本出汁など、味付けに何が使われているかを当てるクイズです。

そんな少年時代が、椎茸の旨みに取り組む現在に繋がっているんですね。

 

「世界を旨いと参らせたい」

竹村さんが狙うのは日本のみならず、世界の市場です。

椎茸の旨みをPRしたいと考えていますが、料理文化の異なる諸外国で急に出汁を使った料理文化を根付かせるには無理があります。

そこで、竹村さんが現在開発しているのが、オフィスで飲める出汁です。ビジネスマンたちは1日に何度もコーヒーを飲みがちですよね。しかし、それでは胃が荒れたりカフェイン中毒になってしまいます。そんなコーヒーの代わりのドリンクとして出汁を飲めるようにしたいという構想です。

(2日酔いにも効きそうです! 是非!)

 

椎茸が世界を平和にする

 

椎茸の素晴らしさや出汁文化を世界に伝えたいという気持ちは、実は世界平和への思いでもあります。

 

うま味研究会(Society for Research on Umami Taste) のメンバーである西丸広史さんの研究「出汁と脳育」によると、水を摂取するマウスと旨み化合物を摂取するマウスを比較した実験で、旨み化合物を摂取するマウスは侵入してきたマウスに対して攻撃行動を起こしにくいことがわかったそうです。

この研究結果が人間にも当てはまるなら、世界中の人々が旨みを摂取すれば、お互いに攻撃しあわず平和な世界になるのではないか?

竹村さんはそんな仮説を立て、旨みで世界を平和にしたいと取り組んでいます。

とても大きな目標ですね!

そんな長い道のりは、なるべく楽しくないと進めない。

そう思って、この事業に椎茸「祭」という名前を付けたそうです。

世界を平和にするお祭り!

盛大な椎茸祭になっていくことを祈っています!!

 

椎茸栽培キットについてのより詳しい情報やご購入は下記サイトから可能です。

椎茸祭ホームページ⇒http://www.shiitake-matsuri.com/

「しいたけハウス」(Amazon)⇒https://www.shiitake-matsuri.com/blog/5bcb064a20b?categoryId=25608

 

以下の後編ではインドで働いていた当時のお話や、竹村さんが考える働き方についての思いを伺っています!

インド企業で体感した自分が輝く場所の見つけ方~踊らにゃ損々の文化~

 

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