税理士に聞く「会社に副業がバレる仕組みとバレない方法」

信夫でございます。
今日もサイドラインズやっていきます。

今回はご質問をいただくことが多い質問である
「会社に副業がバレない方法」に関して
どこのサイトよりも詳しく解説してみたいと思いますよ~

※この記事の最後にも記載していますが、
本記事及び本サイトは、会社にバレないように副業をすることを
推奨するものではございません。正しい仕組みを理解し、
然るべき手順を踏んだ上で、副業に取り組むようにしてください。

副業が会社にバレない方法はあるのか

結論からお伝えすると、ありません!残念です。
のっけからガッカリさせてしまうかもしれませんが、
絶対にバレないというのは不可能です。

ただ今回は、「バレる可能性を最大限低くする方法」はお伝えできます。

副業が会社にバレてしまう原因というのはいくつかあるのですが、
その複数ある「バレる原因」を1つ1つ解消していくことは出来ます。

副業がバレる2つの大きな原因

会社に副業がバレてしまう原因は大きく分けて2種類です。
それは「住民税の通知」でバレてしまう場合と
もうひとつは「それ以外」でバレてしまう場合です。

まず先に、それ以外の場合をご説明させて頂くと、
副業をしていることを自分で同僚に言ってしまい、
その社員経由で会社にバレてしまったり、
副業をしている現場を他の社員に目撃されたり、などです。
これはもう気をつけるしかないですね。
ですが自分でコントロールし切れない部分でもあります。
副業をしていることをどうしても他人に知られたくないのであれば、
うっかり口にしないようにしましょう。

もう1つの原因である「住民税の通知」ですが、
こちらはしっかりと対策をすることで、バレるのを防ぐことが出来ます。
住民税の通知から副業がバレてしまうというのは、もう少し具体的に説明すると、

住民税課税決定通知書によって、
会社以外にも収入があることを
会社から疑われてしまう

ということなんです。

住民税から副業がバレてしまう仕組み

住民税を始め、我々が毎月収めている税金は
単純な給与額だけではなく、家族構成や、
その他の所得、各控除項目も計算されて
最終的な納税額が決まります。
給与額に関しては毎年、会社から給与支払報告書という書類が
市役所や区役所に提出されています。

納税額が決定すると、今度は役所から会社に対して、
住民税課税決定通知書(特別徴収税額の通知書)という書類が送られます。
※住民税課税決定通知書が実際に自分の手元に来るのは5月~6月頃です。

地域ごとにフォーマットは若干異なりますが、
これが住民税課税決定通知書のサンプルです。
juminzei

こうして最終的に決まった納税額は
毎月の給与の金額から天引きされ、税金が収められます。
※大体の会社では5月~6月の給与分から、前年分の住民税が引かれ始めます。

で、この住民税課税決定通知書なんですが、
給与から天引される住民税の金額はもちろん、
副業での所得額なんかもバッチリ記載されます。

これが会社の経理担当が見ると、

会社以外にも所得が発生している・・・

もしくは

会社からの給与額は変わっていないのに、

住民税だけが増えている・・・

会社の給与以外にも収入がある!副業だ!

という流れで会社にバレてしまいます。

この住民税の徴収制度は、特別徴収制度というものですね。
会社員の場合、給与に基づいた住民税の納税を会社が代わりにやってくれるという
本来であれば非常にありがたい仕組みなんですが、
その仕組みから会社に副業がバレるというわけです。

住民税の通知が会社にいかないようにするには

住民税課税決定通知書に、副業での所得が記載され、
その分追加されている税金が記載されることで、副業が発覚してしまうのですが、
この住民税課税決定通知書に、
副業の所得を記載させない(同時に住民税の増加分も記載させない)方法があります。

それは住民税の納税方法を普通徴収にすることです。

普通徴収とは

住民税の納税方法には2種類あります。
1つは前述の特別徴収(給与からの天引き)と
もう1つは「普通徴収」という自分で確定申告して税金を納める方法です。
普通徴収の場合は、毎年5月に送られてくる納付書を使い一括で納めるか、
6月、8月、10月、1月のそれぞれ末日までに4分割で納めることになります。

普通徴収の記載

普通徴収にしたい時は「自分で納付」に○

普通徴収のやり方は難しくありません。確定申告をする際、右の図のような「確定申告書A」の「第2表」という書類の「住民税に関する事項」に特別徴収にするか普通徴収にするかの項目があるので「自分で納付」の欄に丸を書いて提出するだけです。

普通徴収にすることで、住民税課税決定通知書に副業での所得が記載されなくなります。また副業の所得で増加した分の住民税も住民税課税決定通知書に記載されなくなります。

 

 

それでもバレることを100%防げない理由

住民税を普通徴収にしているのに、それでも会社に副業がバレてしまうケースがあるそうです。
それはなんと「役所の職員のミスで会社に通知が行ってしまう」ということだそうです・・・!

住民税の納税方法は圧倒的に特別徴収が多いので、
普通徴収に丸をつけていることが見落とされてしまうということが
実際に起こっているそうです。
こんな怖いことはありませんね(笑)

バレないための最後のダメ押し

役所の職員も人間なので、ミスをしてしまうこともあります。
そこでこのミスを防ぐために、最後のダメ押し方法があるそうです。

それは確定申告期間が終わったあと(一般的には3月15日以降)に自分の住む役所に電話をして
自分の住民税の納税方法が、普通徴収になっているかを確認する、というものです。

そうすることで、見落としによる誤った処理を防ぐことが出来ます。

加えて、さらに確実な方法としては、

・副業分の住民税を普通徴収で納税できるか
・普通徴収にすることで、副業の所得額が本業の会社に伝わらないか

この2点を、副業を始める前に必ず確認するようにしましょう。

その他副業がバレる可能性が高い注意事項

上記のように、住民税を普通徴収にすることで、
そして役所に確認をして念押しをすることで、
副業をしていることが会社にバレる可能性はかなり抑えられます。

とはいえ繰り返しになりますが、絶対ではありません。
前述のように、役所の職員のミスは100%防げませんし、
自治体によって対応が異なっているのが現状ということもあります。

加えて、他にも副業がバレる可能性がある例を挙げてみました。

給与所得の副業はほとんどバレます

確定申告をしたとしても、給与所得の副業(いわゆるアルバイト)の場合は、
バレてしまう可能性がかなり高くなります。
そもそも給与所得というのは、税法では特別徴収にするというのが原則です。
これは税金の滞納を防ぐことが目的です。

また給与を支払った企業も、給与支払報告書を税務署に提出し、
税務署から役所に連絡が行くため、本業の会社に届く住民税課税決定通知書には
副業での給与所得加味された各金額が記載されてしまいます。
※副業先の会社の名前などはわかりません。

副業の給与だけを普通徴収にすることは、
自治体によっては可能といわれていますが、
確実ではありません。

副業の所得が20万円以下でもバレます

「副業の所得が20万以下の場合は確定申告しなくても良い」

この話ってネットでもよく見聞きすると思うのですが、
この話は、「あくまでも確定申告をする必要があるかないか」の話で、
所得が20万以下だから会社にバレないというわけでは無いです。
よく勘違いしている方がいるのでここは要注意です。

副業による所得が20万円以下の場合、
税務署に確定申告をしなくても大丈夫というのは本当です。

ですが住民税に関しては別の問題です。
住民税は本人の所得総額に対して決まるものですので、
副業の所得額の大小にかかわらず影響が出てきます。

なので、副業の所得が20万円以下の場合、
税務署への確定申告は必要ありませんが、
役所への確定申告(所得申告)が必要です。

税務署にも役所にも届けを出さずに黙っていれば、
確かに誰にもわからないかもしれませんが、
それはそもそも脱税にあたりますので絶対に止めましょう。

副業が赤字でもバレます

住民税は所得の合計額が計算の基になりますので、
給与所得分(黒字)と事業所得分(赤字)が足されて計算されます。
この場合は住民税課税決定通知書に記載されている所得額が
本業から支払われている給与よりも低い額となってしまうので、
この場合も会社にはバレてしまう可能性があります。

住宅ローン控除や医療費控除が絡む場合も要注意

住宅ローン控除や医療費控除は年末調整で控除することができません。
これらの所得控除を確定申告した場合などは注意が必要です。
これらの控除は、本業の給与所得か副業の事業所得の
どちらの所得から控除すべきかの判断が難しく、
結局、全ての所得の合算値が住民税課税決定通知書に記載されてしまうようです。
これも自治体によって対応が異なるので、詳しくは役所に確認が必要です。

最後に

会社に副業がバレない方法をかいてきましたが、
僕は副業をする上では「会社に迷惑をかけない」そして、
「会社の了承を得る」というのが大前提
だと思っています。
ましてこのページをご覧頂いた以上は、
後ろめたい気持ちを抱えながら副業を始めて欲しくないです。

今後は副業をするということはもっと自然なことになると思いますが、
まだまだ会社の理解を得られていないことでもりますよね。

「会社に相談してもダメに決まっている」と思われるかもしれませんが、
最終的に副業やるやらないは別として、予め会社に相談したからといって、
副業が始めづらくなるということはありません。

相談する際に本音で事情をしっかり伝えれば、
理解をしてくれる可能性だってもちろんあります。
それは相談しなければゼロのままですよね。
まずは理解してもらえるように動いていきましょう。

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