【2018年版】いざという時のために知っておきたい給付金・助成金まとめ

こんにちは。シノブです。 
 
今回は意外と知られていない給付金や助成金のお話です。生きていく上でぶつかる様々なトラブルや困難な場面って、思いもよらないタイミングで訪れます。そんな時に使える給付金や助成金って実は結構多いんですが、知られていなかったり届け出が出されずに活用されていないことも多いのです。そんな給付金や助成金に関して広くまとめました。下の目次見ていただけばわかりますが、結構多いんです。なのでここに書いてあることを全部覚える必要はありませんよ!でも万が一のことってありますのでね。頭の片隅に置いておいて、その時に備えましょう。

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病気や怪我の時にもらえる助成金・給付金

 給付金という言葉で思い浮かべるのは、怪我や病気の時に国や地方自治体から受け取れる給付金をイメージする方が多いかもしれません。実際に病気の原因や怪我の状況によっては、給付金が支給されるケースがあります。特に多いのは仕事中や仕事が原因の病気や怪我です。いわゆる労災(労働災害保険制度)が適用されるケースです。

労災が適用されるの以下の3つのケース

労災が適用されるケースというのは、ざっくりと以下の3つのケースです。

労災が適用されるケース
①労働環境が原因で病気や怪我をした場合
②通勤の最中や仕事中に怪我をした場合
③上記の2点が発端となって死亡したり障害を負ったり、要介護になった場合

労災として認められるには「労災認定」をしてもらう必要がありますが、そのためには「業務遂行性」と「業務起因性」のという2つの判断基準があります。

業務遂行性というのは「怪我や病気をした時に事業主の支配下にあったか」という考え方から判断されるもので、実際に仕事をしている最中にした怪我や病気であれば認められます。仕事の最中というのは例えば強制参加の飲み会や接待も含まれますし、仕事中の掃除やトイレ休憩の時間も含まれることになります。

業務起因性というのは「その怪我や病気が、仕事が原因といえるかどうか」という考え方で判断されるものです。例えば仕事中に車を運転していてハンドル操作のミスで事故を起こし怪我をしてしまった場合だと、それだけを見ると業務中の事故が原因の怪我のように見えます。ですが例えばその人がハンドル操作を誤った原因が、休日にスポーツをして腕を痛めていたことが原因だった場合は、業務起因性があるとは言い切れない状態になるかもしれません。

労災の認定は、仕事中の怪我の場合は上記の業務遂行性と業務起因性の判断がしやすく、認められることも多いのですが、病気の場合は判断が難しく、最近話題になることが多い「うつ病」の労災認定率は平成26年度までの統計では30%~40%となっています。
参照元:精神障害の労災補償状況(厚生労働省)

ちなみに労災認定の対象になるのは正社員だけではなく、契約社員やパート・アルバイトも対象になりますが、経営者や個人事業主は対象にはなりません。

労災による保険給付は大きく7つの種類に分けられる

労災として認定を受けた場合、大きく以下の5つの給付を受けることが出来ます。労災認定を受けた当人やその家族が受取ることが出来ます。

療養(補償)給付

業務災害・通勤災害による病気や怪我により療養する場合に支給されるのが療養(保障)給付です。療養する場合というのは労災病院や労災指定の医療機関などで療養を受ける時のことを指しています。その際にかかった医療費や、医療機関までの交通費も支給されます。

休業(補償)給付

業務災害・通勤災害による病気や怪我が原因で仕事が出来ず、給与を受取ることが出来ない時に受けることが出来る給付金です。休業4日目から、休業1日につき給付基礎日額の60%が支給されます。(特別支給金も含めると、給付基礎日額の80%が支給されます。)

給付基礎日額
病気や怪我の発生が確定した日の直前3ヶ月間に労働者に対して支払われた賃金の総額を、その期間の歴日数で割った1日あたりの金額。
 
特別支給金
保険給付金に上乗せされて支給される給付金です。国が行っている事業の中で、労災給付には通常の「休業給付」と社会復帰促進等事業の「特別支給金」の2種類があります。特別支給金は給付基礎日額の20%です。

障害(補償)給付

業務災害・通勤災害による病気や怪我が治癒した後に、残った障害の程度に応じて支払われる給付金です。

障害等級第1級から第7級までに該当する場合は障害(補償)年金が給付されることとなり、等級に応じて給付基礎日額の313日分から131日分の年金が給付されます。加えて特別支給金として障害の程度に応じて342万円から159万円までの障害特別支給金や、障害の程度に応じた算定基礎日額の313日分から131日分の障害特別年金が支給されます。

障害等級第8級から第714級までに該当する場合は障害(補償)一時金が給付されることとなり、等級に応じて給付基礎日額の503日分から131日分の一時金が給付されます。加えて特別支給金として障害の程度に応じて342万円から159万円までの障害特別支給金や、障害の程度に応じた算定基礎日額の503日分から56日分の障害特別一時金が支給されます。

算定基礎日額
算定基礎日額というのは以下の3つのうち最も低い金額を指します。
①病気や怪我の発生が確定した日直前の1年間に支払われた特別給与の総額
②給付基礎日額×365日×20%
③150万円
 
特別給与
給付基礎日額の算定の基礎から除外されているボーナスなど、3か月をこえる期間ごとに支払われる賃金のことを特別給与と言います。

遺族(補償)給付

業務災害・通勤災害によって労働者が死亡した時に遺族などの支給されるのが遺族(補償)給付です。

遺族年金の受給資格者がいる場合には、遺族(補償)年金として遺族の数等に応じて、給付基礎日額の245日分から153日分の年金を給付されます。加えて特別支給金として、遺族の数に関わらず一律で300万円が支給される遺族特別支給金や、遺族の数等に応じて245日分から153日分の年金が支給される遺族特別年金があります。

遺族年金の受給資格者がいない場合(*1)や、遺族年金を受給している人が失権して他に遺族年金を受取る人がおらず、すでに支給された年金の合計額が給付基礎日額の1000日分に満たない時(*2)には遺族(補償)一時金が支払われます。給付基礎日額の1000日分の一時金が給付されます。(*2の場合にはすでに支給された年金の合計金額を1000日分の給付基礎日額から差し引いた金額)
加えて特別支給金として、遺族の数に関わらず一律で300万円が支給される遺族特別支給金(*1の場合のみ)や、算定基礎日額の1000日分の一時金の場合(*2の場合)には、すでに支給した特別年金の合計を差し引いた遺族特別一時金が支給されます。

 葬祭給付

通勤災害・業務災害により死亡した労働者の葬祭を行う時に、315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた金額の給付金が支給されます。(その金額が給付基礎日額の60日分に満たない場合には給付基礎日額の60日分となる。)

傷病(補償)年金

通勤災害・業務災害による怪我や病気の療養開始から1年6ヶ月が経過しても傷病が治癒しておらず、その障害の程度が傷病等級に該当する場合、障害の程度に応じて給付基礎日額の313日分から245日分の年金が支給されます。また特別支給金として、障害の程度に応じて114万円から100万円の傷病特別支給金や、障害の程度に応じて算定基礎日額の313日分から245日分の傷病特別年金が支給されます。

傷病等級
障害等級とは別の等級で、そもそもの傷病が治癒していない場合に、その程度に応じて等級が決められます。仮に傷病が治癒して障害が残り、残った障害が障害特別一時金の受取の要件に該当して、その額が傷病特別支給金を上回る場合は、その差額が障害特別支給金として支給されます。

介護(補償)給付

障害(補償)年金、もしくは傷病(補償)年金の受給者のうち、第1級もしくは第2級の精神・神経の障害および胸腹部臓器の障害があり、現に介護を受けている場合に給付されます。

常時介護の場合には介護の費用として支出した額が給付されます。(104,950円が上限金額)親族が介護を行っている場合や随時介護の場合には支給額が異なってきます。

参照元:労災保険給付等一覧(厚生労働省)

医療費の負担を軽減するその他の給付金・助成金

労災に限らず、様々なシーンで医療費の負担を軽減するための給付金や助成金が他にもあります。

会社勤めをしていない人への助成

個人事業主など会社勤めをしていない人は、健康診断などを数年受けずに過ごしてしまいがちです。通常、保険の適用が無く全額自己負担になる健康診断やがん検診、女性検診、人間ドックも、市区町村が行っているものであれば無料であったり少額の負担で受けられます。詳細は一度市区町村に問合せてみましょう。

支払い困難時の医療費の一部負担金減免制度

災害に被災したり、失業中など特別な理由で生活に困窮しており、医療費の負担が困難な場合には市区町村に申請を行うことで、その状況によって医療費が免除、減額、徴収猶予されます。

高額医療を払い戻してくれる高額療養費制度

医療機関や薬局などで支払う医療費用が1ヶ月の上限額(年齢や所得によって異なります)を超えた場合には、超えた分の金額が後から戻ってきます。それぞれの上限額は以下の厚生労働省のPDFを参照してください。

平成29年8月から平成30年7月診療分まで
平成30年8月診療分から

予防接種費用助成

インフルエンザなど政令で定められた対象疾病に対して、市区町村では予防接種の費用を負担してくれます。自己負担額は市区町村によって異なります。

歯周病検診の助成金

日本人の歯の喪失をもたらす主な原因である歯周病の検診を多くの市区町村で実施しており、それにかかる費用を市区町村で負担してくれます。市区町村によって自己負担額は異なりますが、無料で行ってくれる自治体もあります。

出産・育児・教育をサポートする給付金は最終的にお得になるようにバランスを取ることが大事

ここからは出産や育児、教育にまつわる給付金をまとめてご紹介していきます。出産・育児・教育に関わる給付金は、誰でも一律でもらえるものと、所得によって金額が変わってくるものがあります。

所得によって変わってくる給付金というのは、所得の少ない人ほど支給額が高く設定されており、所得とのバランスを考えることが重要になってきます。個人事業主やフリーランスの方の場合は特にそのことを意識した方が良さそうです。経費を多く出して所得を低くし、たくさんの給付金や助成金をもらうのと、無駄な経費を抑えて単純に貯金した上で、プラスアルファで給付金や助成金をもらうか。最終的にどちらがお得になるか、その時々の状況に応じて判断していく必要があります。

妊活・出産を支援する給付金・助成金

出産にまつわる医療には保険が適用されないケースが多く、後学な医療費を自己負担しながら妊活をしている方も多いです。ですが制限はあるものの、少しずつ助成金の整備も進んできました。産婦人科に行かないと知る機会が少ないのが現状ですが、将来出産を考えている方は頭の隅に置いておいて頂ければと思います。

(特定)不妊治療費助成制度

不妊治療には様々な種類がありますが、そのほとんどが保険が適用されないものです。その中でも体外受精や顕微授精などの高額の費用がかかる特定不妊治療には、細かな条件がつきますが助成金が支給されます。妻の年齢が40歳未満の場合、1回あたり15万円の助成金を最高で6回受け取れる可能性があります。

不妊に悩む方の特定不妊治療に関する厚生労働省のページはこちら

双子なら84万円!出産育児一時金

出産には健康保険が使えないので、基本的には全て全額自己負担になります。ですが分娩の際の入院費用など特にお金のかかる出産を援助するために、加入している健康保険から出産育児一時金の支給があります。支給額はこども1人につき最高で42万円で、双子であれば84万円になります。この出産育児一時金というのは「直接支払制度」と「受取代理制度」の2パターンの受取方法があります。直接支払制度の場合には、保険者から出産を執り行う病院に直接支払われることになるので、出産にかかる費用が出産育児一時金の範囲内の場合には個人負担の費用は発生せず、病院の窓口で支払う必要がなくなります。

出産育児一時金の申請方法はこちらから

出産手当金

出産のために仕事を休み、給料が会社から支給されていない場合の生活を補償するために支給されるのが出産手当金です。出産をきっかけに退職してしまった場合も、条件を満たしていれば受取が可能です。支給期間は出産の日以前42日から出産後の56日目で、予定日から遅れた場合はその期間の分も支給されます。

出産手当金の申請・詳細はこちらから

育児を支援する給付金・助成金

育児にまつわる給付金や助成金は、子供が生まれてから日常的に享受できるものから、例えば離婚してひとり親になった時や車に乗せる時のチャイルドシートの費用負担など、様々な場面で支援を受けられるのでぜひ覚えておきましょう。

育児休業給付金

育児休業給付金は育児休暇を取得した際にもらえる給付金です。育休中に、休業開始前の給料の8割以上の給料が企業から支払われていない等の条件を満たすことで給付金を受取ることが出来ます。支給額は休業開始時の賃金の67%です(育児休業開始から半年が経過した後は50%)

育児休業給付金に関する詳細(ハローワークインターネットサービス)

育児休業保険料免除制度

最長で子供が満3歳になるまで、社会保険料の支払いが免除される制度です。本人(被保険者)はもちろん、雇用している会社も半額負担している分の支払いが免除されます。

保険料免除に関する詳細(日本年金機構)

児童手当

育児に必要とされる生活費を支給する制度です。支給額は3歳未満の子供は15,000円/月、3歳から12歳までが10,000円/月(ただし第3子以降は15,000円/月)しかしこの児童手当を受け取れるのは所得が一定額以下の人に限られており、限度額以上の所得がある場合は特別給付として児童1人につき5,000円/月が支払われます。

児童手当に関する詳細(内閣府)

ひとり親家庭等医療費助成

両親が離婚したり、死別によってひとり親になってしまった場合等に、その児童と親に対して、医療費の自己負担額が一部助成される制度です。厳密にはひとり親でなくとも、父母のどちらかに障害があったり、暴力などが原因で保護命令が出ている場合にも該当する可能性がありますが、詳細は自治体によって異なっており、助成自体を行っていない自治体もあります。

チャイルドシート購入助成制度

6歳未満の子供を車に乗せて運転する時に必要なチャイルドシートは、購入時に助成を受けられることがあります。この助成は自治体毎に行われており、内容は自治体によって様々ですが、購入費用を負担してくれたり、短期間のレンタルを安価に行ってくれます。

未熟児養育医療費制度

未熟と判断された乳幼児に対して必要な入院費用等を助成してくれる制度です。

未熟児養育医療制度に関して(埼玉県)

障害児福祉手当
特別児童扶養手当

障害を持つ児童とその養育者に対して支給される手当があります。それぞれ対象になる障害に度合いで支給額などが異なります。

障害児福祉手当について(厚生労働省)

特別児童扶養手当について(厚生労働省)

教育を支援する給付金・助成金

幼稚園から高校を卒業するまで、児童・生徒の進む道に応じて様々な給付金や助成金があります。

私立幼稚園就園奨励費補助金

市立の幼稚園に通園している児童の通園時に補助金が支給されます。この補助金も所得制限がある場合が多いのですが、例えば埼玉県飯能市の平成28年度の私立幼稚園就園奨励費補助金は、年収360万円までの場合は年額で115,200円、年収680万円までの場合は年額で62,200円が補助金として幼稚園を通じて支給されます。この制度も自治体によって内容が異なるため確認してみましょう。

就学費援助制度

市立や県立などの公立の学校に通う児童・生徒の中で、経済的な理由で就学が困難と認められた場合に、その保護者に対して費用の助成が行われる制度です。学校で使う教材費用、通学の費用、給食費、修学旅行の費用、クラブ活動の費用などに助成金が支給されます。こちらも自治体によって内容が異なるので内容を確認するようにしましょう。

高等学校等就学支援金

高校に入学する生徒を対象に支給される支援金の制度です。国公立・私立を問わず支給されますが、こちらも所得制限があります。支給額は以下の通りです。

国立高等学校
国立中等教育学校の後期課程
月額9,600円
公立高等学校(定時制)
公立中等教育学校の後期課程(定時制)
月額2,700円
公立高等学校(通信制)
公立中等教育学校の後期課程(通信制)
月額520円
国立・公立特別支援学校の高等部 月額400円
上記以外の支給対象高等学校等 月額9,900円

高等学校等就学支援金について(文部科学省)

私立高等学校等授業料軽減助成

国公立に比べて授業料が高くなる私立の高校に通う生徒の保護者を対象に、授業料の一部を助成する制度です。こちらも所得制限がある場合が多いですが、例えば東京都の場合、年酒760万円未満の世帯に対しては、国から支給される高等学校等就学支援金と合わせると最大で442,000円が助成されます(平成29年度時点)

東京都の私立高等学校等授業料軽減助成事業について

以上、国内の給付金や助成金のまとめでした。こういった情報は日常的に得る機会が少なく、そういった場面に直面した時に初めて知るということが多い情報です。いざという時に慌てないためにも、これから先に起こりそうな場面を想定して、自治体などに問い合わせてみてください。

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