こんにちは。サイドラインズのアンリです。
みなさんは「インターナショナル・プリスクール」という場所を知っていますか? 聞いたことはあってもどんなところかわからない方も多いはず。インターナショナル・プリスクールとは、英語で保育をしている幼稚園・保育園のことです。すなわち、英語が堪能な日本人の先生や英語を母国語とする先生が、日常的に英語を使って保育をしてくれるのです。英語がしゃべれない私からすると、ちょっとハイレベルな感じがする場所……。
今回はそんな国際的な職場で働きつつ、自分の好きなことや、自分の成長のために複業というワークスタイルを過ごしている素敵女子「中川麻衣さん」をご紹介します。しっかりとした本業がありながら、なぜ複業を始めることにしたのか? そのきっかけや経緯、好きなことをバランスよく仕事のする方法などをご紹介します。
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複業をこなす保育士。中川さんのプロフィール
中川さんは、大学で保育士と幼稚園教諭の資格を取得後、日本での保育園勤務を経て、カナダに留学。現在は、インターナショナル・プリスクール教諭とピラティス講師、親子向けのワークショップの主催など、さまざまな種類の仕事を複数としてバランスよくこなしています。
カナダへ行くきっかけは他の国の生活への興味と行動力
日本だけしか知らない人生はもったいない!と海外での生活に興味があった中川さん。
ちょうどその時、通っていた大学の先生から「日本で就職せずに海外に行きなさい」と後押しされ、「海外での生活」という新しい選択を意識するようになりました。
大学卒業後は、日本の保育園で保育士として勤務し、カナダの留学資金を貯めていました。その甲斐あって、計画通りに2年後に夢であったカナダへと、まずはワーキングホリデービザを携えて旅立ちます。
やりたいことを漠然と思い描くだけに留まらず、期限を決めて、実際に行動し、実現する。言葉でいうのは簡単ですが、やはりその裏には大変な努力と決意が込められてたのでしょう。
カナダでの生活
カナダでの生活は、常に新しいことや新鮮なことに触れることができる刺激的な環境であり、その反面、言語の壁や感覚の違いを感じる場面も多くありました。
カナダの生活ではホームステイも経験していました。当初は3ヶ月の予定でしたが、とてもよい人たちに恵まれたため、延長して4ヶ月間カナダでの生活を体験しました。
最初にできた親友もこのお家のルームメイト。お家の人たちとは、今でも連絡を取るほど仲良くなったそうです。
また生活をするために、中川さんが働いていた場所は大好きなジェラート屋さんでした。英語力が必要でしたが、お店に直談判し見事採用。
働く中で、英語力や親友も得られた大切な場所であると中川さんは語ります。
そしていよいよ保育の専門学校に入学。
課題はたくさんありましたが、はじめにぶつかった壁は課題で行われたディベートです。
すべて英語で行われるディベートについて行くのに必死だったそうです。英語カをカバーするためには他の人以上に準備や努力が必要でしたが、その時のことを思い出すとこれ以上に大変だったことはなかったと思えるため今後の自信につながりました。
他にも単位を取るために、テストやレポートなどの課題が数多くありました。
しかし、やりたかったことを叶えるために中川さんが諦めることはありませんでした。
ワーキングホリデーのジェラート屋さんの仕事も続けながらの、専門学校での勉強でしたが、見事カナダでの保育士資格を取得しました。
「カナダでの生活でできた大切な友達や人との関わり、文化の違いや生きた英語などはとくにジェラート屋さんの仕事で学べたと感じているので、保育だけでなくそちらの生活もカナダでの生活の重要な一部と思っています。」と語る中川さん。
カナダの生活で変わった自分の価値観
2年間のカナダ生活を経験するうちに、中川さんの心境や価値観にも変化が訪れました。
カナダの教育費の違いや政府からの資金の違いによってか5歳までにかける保育料が日本より高く、保育士のお給料や地位も高いそうです。
自分たちの満たされる程度のお金と仕事量に調節をし、家族との時間を大切にする国。
また多文化、多民族国家なので英語ができない人に対してもバカにすることなく一人の人としてお互いを尊敬し接してくれる人たちに心打たれました。
他人の目を気にせず、自分のやりたいことを素直に実行できる海外の価値観に触れ、自分の思いに素直になって行動することの大切さを学びました。
好きなことを複業として仕事にする
カナダから帰国後、海外での保育経験を生かしてインターナショナル幼稚園の幼稚園教諭として勤務を始めました。その傍ら「ピラティス」に興味を持ち始めた中川さん。
もともと「ヨガ」を2年ほどやっていたのですが、ピラティス講師の先輩と話をする機会がありピラティスについての話を聞いているうちに興味深く「やってみたい」という気持ちになったそうです。
ピラティス講師の先輩から言われた「今やりたいという気持ちを大切にしなさい」という言葉が中川さんを後押しし、本格的にピラティスの世界にのめり込んでいきました。
「ピラティス」は、医療やリハビリテーションにも活用される運動で、姿勢改善や生活習慣からの体の歪み等を改善したり、シェイプアップなど自分のなりたい体に近づき豊かな生活を目指していくエクササイズです。
インターナショナル幼稚園での勤務をしながら養成講座に通い「ピラティス」に関する知識と技術を勉強。見事にピラティスの資格を取得しました。
資格取得後、最初に生徒さんとしてレッスンしたのは、知り合いのヨガの先生やピラティスの先生から紹介していただいた方でした。
好きなことに対して、真摯に取り組む中川さんの熱意が生徒さんを集めているのかもしれませんね。
副業として親子向けのワークショップを開催
カナダから帰国してから、中川さんは一緒にカナダに保育留学をした三輪さんと一緒に「kodomo.bin」という親子向けワークショップのコーディネーターとしての活動も開始しました。
海外で学んだ保育文化の面白さと、保護者が子供最優先ではなく自分という存在をもっと大切にできるようにという想いから活動を行なっています。
さまざまなワークショップを行う中で、印象に残っているものは、親子とピラティスを組み合わせたものでした。
自分と向き合う時間ができるようにと、中川さんが講師を務めるピラティスを取り入れたワークショップは保護者の方からも好評。保護者の方が、自分の体や心と向き合い充実した時間になったとの反応があったそうです。
興味のあること好きなことを積極的に取り入れ、行動していくことが複業としてさまざまなお仕事の幅を広げていったのですね。
好きなことをバランスよく仕事にする方法
複数の仕事をされている中川さんのスケジュールを伺いました。
平日は、インターナショナル幼稚園の幼稚園教諭として週5日勤務しています。
平日の夜や、土日を使ってピラティス講師をやっています。
1対1のパーソナルな講師が週に1本と、小さなグループでの講師が週に1本、大きなグループレッスンが週に2本あります。
また2〜3ヶ月に1回、「kodomo.bin」での親子向けのワークショップを開催しています。
お休みのないスケジュールですが、「好きなことだから続けられます。複業でさまざまな仕事をやることは、それぞれやることが違うので、うまくバランスがとれますよ。」と笑顔で語る中川さん。
それぞれのお仕事が、本当に好きだから大変であっても続けることができるのですね。
複業をしていて良かったこと
中川さんは、複業を始めてからそれぞれの仕事での人との関わりも増え、人との出会いを広げることができたそうです。
職種の異なるさまざまな人たちとの関わりにより自分自身の視野が広がり、今自分が何がしたいのか、何をするべきなのか追求できることができることができる複業。
新たな人間関係が、また新しい興味や仕事を生み出しているようです。
今後の活動
今後の活動については、実際のところまだ悩んでいるそうです。インターナショナルの幼稚園に、平日の5日間フルタイムで入ると、ピラティス講師の時間や自由に使うことのできる時間も限られてきます。
行事などで、幼稚園での仕事が忙しくなる時も他の仕事に対しても疎かにはできないため、1つの仕事にどのくらい時間を割けばよいのかを考えなければいけません。
どちらも真剣に取り組んでいる仕事なので、今後はモチベーションやその時の状況に合わせて時間配分などをバランスよく調節しながら、2つ仕事を大切に続けていきたいと語る中川さんでした。
これから複業しようか迷っている人へメッセージ
最後に、これから複業をしようか迷っている人に対してメッセージをいただきました。
「人には向き不向きがあります。複業に向いている人も向いていない人もいます。でもやってみないとわからないので、やりたい! と思ったときの気持ちを大切にして何か少しでも行動にうつすことが大切だと思います。その少しの行動によってきっと何か新しい気持ちが生まれると思うので。向いていたら続ければいいですし、あっていなかったら辞めてもいいんです。」
やりたいことを行動に移す時、色々と先のことを考えてしまい中々踏み出せない時もあります。しかしやりたいと思ったことは思い切ってやってみる。自分の心に素直になってまずは行動してみることが、新しい自分を発見するためのチャンスにもなることを中川さんから教えていただきました。
中川さんの活躍されている「kodomo.bin」の詳細はこちら
https://kodomobin.wordpress.com