公演はプロジェクト! 本業のスキル活用する劇団「サラリーマンチュウニ」

こんにちは。サイドラインズのOOXです。

突然ですが、「ワーカホリック」という言葉はご存じでしょうか?

日本語に訳すと「仕事中毒」という意味だそうですが、みなさん自身、俺って私って「ワーカホリック」だなーと思った経験がある方は少なくないはず。

興味とやり甲斐と責任を持って仕事をしていれば、少なからず「ワーカホリック」になってしまった経験は誰しもあると思いますが、そうならないためにはどうすればいいのでしょうか?

本業と全く違う趣味を持つ。毎日メリハリを大切にして過ごす。などさまざまな方法はありそうですが、あえて本業のスキルを趣味や仕事外の活動に生かす! という方法はいかがでしょうか?

今回取材させていただいた、メンバー全員がサラリーマンで構成されている劇団「サラリーマンチュウニ」は各メンバーが本業のスキルをフルに活用しながら日々の劇団運営を行なっています。

前編の記事では、劇団のコンセプトや公演活動などを紹介してきましたが、後半の記事では、本業のスキルを生かした各メンバーの役割やより具体的な劇場の運営方法について、主宰の鈴木さんのお話を交えながらレポートしていきます。

劇団運営に必要なスキル=プロジェクト推進力 

劇団サラリーマンチュウニは、メンバー全員が会社員という異色のバックグラウンドを持つ劇団です。

だからこそ演劇活動に割く時間や役者としての稽古の時間は限られてしまうわけですが、それをカバーするのは各劇団員のスキルに他なりません。

適材適所という言葉がありますが、劇団における適材適所とはどのようなものなのでしょうか?

メンバーとともにご紹介します。

社会人劇団「サラリーマンチュウニ」のみなさん

みなさんそれぞれ本業をお持ちです

 

主宰 鈴木雄一さん(左から2番目)
本職はWEB解析のお仕事をされています。
劇団では公演の企画、製作、総合演出や脚本の作成を担当。
もちろん役者として舞台にも立たれます。

法務部長 五十嵐友紀さん(左から3番目)
鈴木さんとともに劇団を立ち上げたメンバーで、本職も企業で法務を担当されています。
劇団では、役者としての演技はもちろん、脚本や演出なども手がけています。

経理部長 堀雄介さん(左から4番目)
本職は企業で財務を担当されています。
劇団では役者、脚本、演出などに加え、他の劇団の公演にも客演として出演されています。

広報部長 伊集院尚悟さん(1番左)
本職は企業でシステムエンジニアを担当されています。
劇団では主に役者とブログやSNSの更新を担当されていますが、脚本、演出などにもチャレンジする機会も多くなってきたそうです。

伊集院さんは僕の友人ということもあり、役者とサラリーマンの両立をテーマにインタビューもさせていただきました。

詳しくはこちらから↓↓

前編「サラリーマンでも輝ける! 34歳で演劇デビューした男の話」

サラリーマンでも輝ける! 34歳で演劇デビューした男の話

後編「営業職はすでに俳優!? サラリーマンと演劇の相性とは?」

営業職はすでに俳優!? サラリーマンと演劇の相性とは?

経理部長に法務部長!? 劇団運営における役割分担の必要性とメリット 

規模の大小を問わず、劇団運営は1人ではとてもできる活動ではありません。
とはいえ、なぜ法務部長や経理部長が必要なのでしょうか?

サラリーマンチュウニの劇場公演について鈴木さんの解説を交えて具体的に紐解いてみましょう。

◆劇場公演までの流れ

まずはじめに日程を決めます。
→ここで重要なのは、本業の繁忙期と重ならないようにすること。そして、きちんと期日までに稽古の時間が確保できるか? をメンバーで話し合うことです。

そのあと、演目を決めます。
→この時までに「プロット会議」を済ませておきます。プロットとは、物語のあらすじにあたる部分です。それによって配役や必要な客演(主催劇団以外から参加してもらう役者)の数や照明や音響などの裏方スタッフの人数、ステージ広さなどもある程度決めておきます。

次に会場を決めます。
→演目に合った演出が可能か? 会場利用料は予算と合っているか? どのくらいの動員が見込めるか?なども加味してチケットの価格設定も決めます。また会場の設備なども細かくチェックします。

脚本や演出の内容を詰めます。
→その際にはストーリーは公序良俗に反していないか? 台詞の表現は適正か? なども吟味します。

配役に合った役者を決めます。
→役者の個性と役のキャラクターが合っているか?なども考慮して、客演依頼も進めます。

稽古場を手配します。
→演者の力量や演目の内容により、公演までにどのくらいの頻度で稽古が必要か? を検討して、公民館や公共施設などを活用して、会場使用料を抑えます。

稽古がスタートします。
→同時に公演の宣伝をするためにチラシを作ったり、WEBサイトやSNSを更新したりと、広報活動も並行して行います。また、同時に大道具小道具の手配や当日のスタッフ(チケットのモギリや案内係など)のオファー進めます。ちなみに小道具については役者各自で手作りする場合が多いそうです。

稽古中も綿密な打ち合わせやブリーフィングが行われます

 

いよいよ本番!
→会場のレイアウトや舞台のチケットの予約状況などから、できるかぎり赤字にならないように、継続して集客活動や広報活動も並行して行います。

と、演劇について素人の僕が鈴木さんの話を元にまとめただけでも、かなり綿密な準備と計算が必要なのです。

これはまさに会社でいうところのプロジェクトですね。
劇場公演を成功させ、劇団を長く運営し続けるためには、俳優としての演技力以上に、プロジェクト推進力や、チームビルディングなど、会社で仕事する上で必要なスキルが大いに役に立つようです。

「劇団運営はスタートアップ事業と似ていて、いわば起業と言っても過言ではないと思います。そういう意味でも、うちの劇団には本業でプロとして経理や法務に携わっているメンバーがいるので、盤石です!」

と語る鈴木さん。

本業で得た知識と経験がライフワークで発揮できるのは、活動の効率化にも繋がりますし、会社とは違うシチュエーションでスキルを活用することで、さらにスキルが磨かれ本業にも良い影響を及ぼすそうです。

正直ここまでシステマティックかつストイックに運営されているという事実を知り、勝手に「ハードルが高すぎる」という印象が大きくなってしまったのですが、その点についても鈴木さんに聞いてみました。

舞台役者って誰でもできますか? 

こんな質問を思い切ってぶつけてみたのですが、返ってきた答えは意外なものでした。

「うちは基本的にオーディションはしません。やってみたいという想いがあってきちんと稽古に参加してくれれば、3ヶ月で舞台に立てるようになりますよ。」

「もともと「サラリーマンの表現活動を応援したい!」という理念のもと旗揚げした劇団ということもあり、舞台に立ちたいという気持ちを1番大切にしています。」

「逆に未経験者の方のほうが、モチベーションも高く、稽古もしっかり通ってくれるので、既存のメンバーにとっても良い影響を与えてくれるんです。」

と語る鈴木さん。

メンバー全員が本業をしっかりされていて仕事の大切さを理解しているからこそ、長く続けらることに重点を置いてサポートしてくれますし、何より同じ目標を持つ仲間の輪に入ることで、新たなライフスタイルを見つけられることでしょう。

この記事の読者の方でも役者や劇団運営に興味がある方は、ぜひ劇団サラリーマンチュウニのメンバーとコンタクトを撮ってみください。

きっと演技力や表現力のみならず、社会人として必要な「人、物、金」の管理の仕方やプロジェクトマネージメントなど、思わぬスキルや経験が得れるはずです!

劇団 サラリーマンチュウニ HP

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